アーティスト別にお届けしている「おすすめランキング」、今回のアーティストは、”Depeche Mode”(ディペッシュ・モード)です。
出身地のイギリスはもちろん、ヨーロッパ各地でも大変人気のあるバンドです。
基本エレクトリック・ポップですが、ソング・ライターの”Martin Gore”の作る楽曲が素晴らしいです。
そのため、10枚以上のオリジナル・アルバムのそれぞれに、ものすごく良い曲が2曲ずつはあるので、ランキングを絞り込むのに、苦労しました。
第10位:”A Photograph of You”
アルバム”A Broken Frame”からのナンバーです。
アルバム”A Broken Frame”は、”Depeche Mode”の2作目にあたる作品ですが、1作目のアルバム”Speak And Spell”をリリース後、作詞作曲を担当していた”Vince Clarke”が脱退してしまいます。
そのため、”Martin Gore”が作曲を手掛けた最初のアルバムと言えるでしょう。
しかし、その完成度は高く、この”A Photograph of You”に代表されるように、叙情的な作品が多く並びます。
“Depeche Mode”作品中、もっとも美しいアルバムだと言えます。
第9位:”Halo”
アルバム”Violator”に収録されている”Halo”です。
このアルバム”Vilolator”からの選曲に一番悩みました。
“Personal Jesus”、”Enjoy the Silence”など、他にも良い曲があるので、苦渋の決断でした。
緊迫した曲の冒頭部分から、サビにつながる開放的な部分への展開を美しいメロディーで綴っています。
ドラマ仕立てのPVも、このアルバムのPVの特徴で、この曲の”Martin Gore”の哀愁に満ちた演技は、この曲の雰囲気とも合致しています。
第8位:”Home”
アルバム”Ultra”に収録されている”Home”です。
重厚なサウンドと美しいメロディーを併せ持つ、後期”Depeche Mode”の傑作です。
初期の頃にも、”Depeche Mode”の作品には、美しいメロディーを持った曲がいくつかありましたが、どことなく危うさを感じるものでしたが、この”Home”に関しては、確固たる力強い美しさを感じます。
曲後半部分のストリングスとギターの掛け合いは、見事です。
第7位:”Everything Counts”
アルバム”Construction Time Again”に収録されているこの曲”Everything Counts”は、”Told You So”とともに、ダンサンブルなエレクトリック・サウンドを展開しています。
アルバム”Construction Time Again”では、リズム部分を担うパーカッションの定義を見直しする必要があります。
リズムを刻むものは、必ずしも打楽器である必要がなく、刻めるものはなんでも刻んでしまえという感じがします。
そして、刻まれた音は、研ぎ澄まされた”Depechen Mode”独特の世界を形成しています。
第6位:”Leave in Silence”
アルバム”A Broken Frame”の冒頭を飾る曲”Leave in Silence”です。
“Martin Gore”が曲作りを担った新生”Depeche Mode”の原点です。
この曲”Leave in Silence”は、アルバム”A Broken Frame”のジャケットの写真イメージ通りの曲だと思います。
どこか、牧歌的でありながら、芸術性も高い優れた作品です。
統一感のあるアルバムをさらに、象徴するような曲です。
第5位:”A Question of Lust”
“Depeche Mode”史上、もっとも美しい曲かも知れません。
アルバム”Black Celebration”に収録されている”A Question of Lust”です。
ボーカルも、”Martin Gore”が担当しています。
この曲は、”Depeche Mode”特有の電子音楽的な技巧をほとんど施していません。
“Martin Gore”のソング・ライティング力にのみ成り立っている曲です。
第4位:”Useless”
再び、アルバム”Ultra”からの収録曲です。
この曲”Useless”と第8位で紹介した”Home”が、セットになったリミックス・アルバムがあります。
どちらも、”Ultra”級の傑作曲ですので、リミックス・ファンにはぜひおすすめします。
“Useless”は、前述した”Home”よりも重厚なサウンドで、ギターのうなり具合がしびれます。
“Depeche Mode”が、エレクトリック・ポップというジャンルに分類されていたのも今は昔です。
第3位:”Blasphemous Rumours”
神がかり的な、甘美のメロディーを誇る”Blasphemous Rumours”は、アルバム”Some Great Regard”のラストを飾る曲です。
あまりにこの曲が良すぎて、同アルバムに収録されていたヒット曲”People Are People”と”Master and Servant”が、「載せきれなかった良い作品」扱いとなってしまったのが残念です。
4作目となったこのアルバム”Some Great Regard”の偉大な一歩で、”Martin Gore”を”Vince Clarke”の代役と呼ぶ人はもはやいないでしょう。
第2位:”Policy of Truth”
カッコ良さという点では、”Depeche Mode”の曲の中でも、随一の曲が、この”Policy of Truth”(アルバム”Violator”に収録)でしょう。
全体的に引き締まった楽曲の中で、単独では無機的な音の集まりが、巧みに曲を構成していくのは、”Depeche Mode”のなせる業ではないでしょうか。
第1位:”See You”
アルバム”A Broken Frame”自体、おすすめのアルバムですが、その中でも、もっとも親しみやすく、日本のリスナー受けしそうな曲が、この”See You”です。
まだ、あどけなさが残る初々しい”Dave Gahan”が、歌う姿は微笑ましいです。
哀愁が漂う素朴で牧歌的なサウンドが印象的なセカンド・アルバム”A Broken Frame”でしたが、この路線を踏襲すれば、まだまだいけると思いきや、次作のアルバム”Construction Time Again”で、フレームをぶち壊し、「建設的」な変革を成し遂げたのも、このアルバムで勝ち取った自信によるところが大きいでしょう。
番外編
ランキングを作るにあたって、1曲も選ばれていないアルバムがあるじゃないかと、いぶかしげに思う方がいると思います。
その中でも、アルバム”Music for the Masses”だけは、弁明させていただきたいと思います。
このアルバムは、冒頭の”Never Let Me Down Again”から、良い曲が、続きます。
さながら、チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」のようです。
ですので、一曲ずつ取り出して聴くよりも、アルバムを通して聴いていただきたいと思います。
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