一般にマーケット戦略で『ブランド戦略』は有効な手段であると言われていますが、小規模事業者が大企業のブランド戦略をそのまま真似しても、広告宣伝費等のマーケティングコストを費やすばかりで売上や利益に結び付くことはないという話をさせていただきました。
ダイレクトブランディング〜あなたのブランド認識とブランド戦略は間違っている
小規模事業者は、大企業とは違ったブランド戦略が必要です。
小規模事業者がとるべきブランド戦略は『ダイレクトブランディング』です。
前回は、『ダイレクトブランディング』はどのようなものか、そしてダイレクトブランディングにおけるブランド構築の概要について解説してきました。
ダイレクトレスポンス〜従来のブランド戦略との違い〜ブランド構築の方法とは
今回はダイレクトブランディングにとって重要な構成要素についてお話したいと思います。
ブランド構築の推進力となるUSP(Unique Selling Proposition)とは!?
『ダン・ケネディー』氏の著書である『ダイレクトブランディング』では、ダイレクトレスポンスにおけるブランド構築を前に進めるための源泉のひとつに『USP』なるものをあげています。
『USP(Unique Selling Proposition)』というのは、『独自の売り文句』です。
『ディズニーランド』でいう『夢と魔法の国』や『世界で一番幸せな場所』といったようなものです。
つまり、このUSPなるものがあれば、見込客はこの事業が顧客のために何を提供してくれるのか正確にわかるというものです。
そのため、USPはより具体性を持たせることによって顧客により印象的なものになります。
本書で紹介されているUSPの例として、アメリカのケータリング事業者『ファンファーレ』のものがあります。
スター御用達ケータリング業者、『ファンファーレ』は専門的なノウハウに加え、ユニークな特別仕様イベントを演出します。
あなたとあなたのゲストはVIPセレブ気分をたっぷり味わえます。
上記例のように、ただのケータリング業者ではなく、『スター御用達』のように差別化を打ち出しています。そして、ただ素晴らしいサービスというより『VIPセレブ気分』といった具体的な表現をとって見込み客に印象付けています。
『VIPセレブ気分』という表現は聞く者に感情的な訴求力を持つ言葉で、効果があります。
ブランド構築の推進力となるDCS(Dynamic Core Story)とは!?
『ダン・ケネディー』氏のが掲げるダイレクトレスポンスにおけるブランド構築を前に薦めるための源泉のもうひとつが『DCS』です。
『DCS(Dynamic Core Story)』の方は『動的で中核となる物語』という意味になりますが、あまり馴染みのない言葉です。
『創業秘話』といったものが近いかも知れません。
実際のDCSを見てもらった方がイメージがわくと思います。
先ほどUSPを紹介したアメリカのケータリング会社『ファンファーレ』のDCSです。
私の両親フェイとテッドは、私が10歳のときに会社を立ち上げた。父はオールドスタイルのビールの営業マンでアル・パース・リカーズに売り込み訪問をしていた。アル・パースがコンサートの後援を計画中にケータリング業者を探していると聞いて、父が『俺にやれせてくれ』と声をあげた。実は何をするのか父は全くわかっていなかったのだがケータリング業者を雇い、3ヵ月彼らのやることを観察した。私たちは単に食事や飲みものを提供するだけではなく、完璧なイベントを創りあげようと心に決めた。そのせいか、エンターテイメント業界のスターの目にとまり・・・(以下略)
上記例のように、ケータリング会社『ファンファーレ』の創業から今日に至るまでの経緯が物語りのように綴られているのが『DCS』です。
では、なぜこの『DCS』という事業の誕生物語りのようなものがブランド構築に有効なのでしょうか!?
まず、『物語り』という形式は聞く者の印象に残ります。わかりやすくその世界に容易に入り込むことができます。
そして、ビジネスの成り立ちを知ることで、顧客は商品やサービスの背景を理解し、あなたのビジネスに共感や親近感を抱くようになるからです。
ただ、『DCS』を語る上で気を付けなけらばいけないことがあります。
いくら、自分のビジネスの話だからといって、自分のことばかり語りすぎるのは良くないです。
顧客にとって、そのビジネスは何をもたらしてくれるのかということに重点を置いた方がより効果的な『DCS』になります。
ブランド構築の推進力となる視覚表現とは!?
『ダン・ケネディー』氏は、ダイレクトレスポンスにおけるブランド構築を前に薦めるための源泉の最後の要素に『視覚化』をあげています。
もちろん、最初の2つの要素『USP』と『DCS』がとても大事なのですが、3つめの要素『視覚表現』はこの2つの要素をより効果的に行うための手段です。
視覚表現とは、ブランドのイメージ、トレードマーク、カラー(ブランドカラー)などを指します。
ブランドカラーはわかりやすいですね。
例えば、コカ・コーラの『赤』などです。
コカ・コーラのクリスマスキャンペーンでサンタクロースの衣装は『赤のガウン』と決めたのもコカ・コーラですからね。
こうした視覚表現は、メディア、店舗の正面、開催するイベントの際にも考慮する必要があります。
以上、3つの要素をあなたのビジネスに取り入れて、ブランド力の向上を図りましょう!
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