アーティスト別にお届けしている「おすすめランキング」、今回のアーティストは、”Simple Minds”(シンプル・マインズ)です。
スコットランドは、グラスゴー出身のアーティストで、80年代のUK音楽シーンをリードしてきました。
活動時期によって、”Simple Minds”の音は、時代とともに変化してきました。
実験的な試みや、幻想的で美しいメロディーを中心にした音楽、さらに力強さを加えた音の追求と変遷してきました。
私は、幻想的でただただ美しい楽曲が多かった時代が好きです。
となると、ランキングのゆくえが想像できるのではないでしょうか。
第10位:”Book Of Brilliant Things”
アルバム”Sparkle in the Rain”に収録されている曲です。
このアルバムをリリースしたときに、ボーカルの”Jim Kerr”は、こんなことを言ってました。
「僕たちは、”New Gold Dream”では、『美しさ』を手に入れた、今度は、『美しさ』と『力強さ』を同時に手に入れたいんだ」
この曲”Book Of Brilliant Things”を聴く限り、その野望は果たせたようです。
力強くリズムを刻むドラムに、それに、呼応するかのようなギターの音は、これまでの”Simple Minds”にはなかった音です。
第9位:”Once Upon A Time”
“Simple Minds”最大の分岐点となったアルバム”Once Upon A Time”の表題曲です。
前作のアルバム”Sparkle i n the Rain”で、「美しさと同時に力強さも手にいれた。」”Simple Minds”でしたが、それは、従来の美しいメロディーに、力強さを加えたという程度のものでした。
しかし、大ヒット曲”Don’t You”のアメリカでの成功で自信を含めた”Simple Minds”は、彼らの音楽にも、ワールド・ワイドのスケール・アップをもたらしました。
第8位:”Promised You a Miracle”
アルバム”New Gold Dream”からの一曲です。
私が、”Simple Minds”と出会った最初の曲です。
学生時代、洋服屋(全国区の紳士服小売店)のバイト先の店舗で、プロモーション用にかかっていた曲です。
“Simple Minds”のこの曲や、”Heaven17″の”Play To Win”なんかがかかっていた記憶があります。
今、考えると、恐ろしく選曲のセンスがいい会社だと思います。
第7位:”Alive And Kicking”
アルバム”Once Upon A Time”の収録曲です。
アルバム”New Gold Dream”が、美しくはありますが、どこか内省的で、内に秘めたものを感じました。
一方で、この”Alive And Kicking”の壮大さは、外に向けて発散していくエネルギッシュな力強さを感じます。
女性のバック・ボーカルの起用も、このアルバムが初めてだっとように思います。
第6位:”Sanctify Yourself”
またまた、アルバム”Once Upon A Time”の収録曲です。
もはや、こうなってくると、「力強さを手に入れたいんだ」などと言っていたことは、今は昔、十分パワフルです。
“New Gold Dream”時代の”Simple Minds”は、人見知りするバンドだと思っていました。
第5位:”Love Song”
アルバム”Sons & Fascination”に収録されている曲です。
実験的な曲が多く含まれているアルバム”Sons & Fascination”の中で、次作の”New Gold Dream”以降のポップな楽曲へとつながっていく曲です。
それまでの”Simple Minds”は、ニュー・ウェーブに分類されるようなちょっと実験的で、周囲の評価などあまり気にしないといった感じの音作りをしていました。
第4位:”All The Things She Said”
さらに、アルバム”Once Upon A Time”の収録曲です。
こうみると、アルバム”Once Upon A Time”、いい曲がたくさんありますね。
(私の中では、アルバム”New Gold Dream”、”Sparkle in the Rain”時代が、一番”Simple Minds”が輝いていた頃だという印象があります。)
やはり、この曲”All The Things She Said”でも、女性バック・ボーカルが起用され、ソウルフルな歌声は、曲を引き締まったものにしてます。
第3位:”70 Cities as Love Brings the Fall”
再び、アルバム”Sons & Fascination”の収録曲です。
アメリカでは、絶対ヒットしない曲だなって思います。
彼らも商業的なヒットは狙っていないのではないかと思えるぐらいです。
それでも、”New Gold Dream”の成功がなければ、埋没してしまいそうな曲です。
(私は、こんなマニアックな曲なのに、第3位にするぐらい大のお気に入りの曲なのですが・・・。)
第2位:”Speed Your Love to Me”
アルバム”Sparkle in the Rain”のハイライト曲です。
この曲”Speed Your Love to Me”が、まさに、「美しさと力強さ」を兼ね備えた曲です。
楽曲の素晴らしさも、”Simple Minds”作品の中でも群を抜いています。
第1位:”Someone Somewhere (In Summertime)”
アルバム”New Gold Dream”の評価を決定づけた曲です。
前作のアルバム”Sons & Fascination”のあの実験的な音から、どのようにしてこのような美しい曲が誕生したのか想像もつきません。
これだけの美しい旋律があるのなら、力強さなどいらないと私は密かに思っています。
これほどいい曲ですが、恐らくカバーしようとする人はごくまれでしょう。
楽曲が素晴らしくても、この世界観を出せるのは、”Simple Minds”をおいて他にはいないでしょうから。
原曲を超えるなんて、到底無理です。
番外編
全米№1を獲得した”Don’t You”が、入っていませんね。
映画「ブレックファスト・クラブ」の主題歌ということで、ヒットしたわけですが、私自信は、”Simple Minds”の楽曲の中で、それほどいい曲だとは思いません。
(ランク・インした曲の方が、断然いい曲だと思います。)
しかし、”Don’t You”の大ヒットのおかげで、”Simple Minds”のファン層が広がったのは、事実でしょう。
その反面、アメリカの音楽市場を意識しすぎたのか、私が一番好きだった頃(アルバム”New Gold Dream”と”Sparkle in the Rain”の時代)の音楽から、だいぶ遠のいてしまったのは、残念です。
“Don’t You”自体は、彼らのオリジナル・アルバムには収録されていません。
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