2023年11月18日(日)に静岡県の浜名湖湖畔にあるリゾートホテル『浜名湖レークサイド』にて、『株式会社Fitness To Life』の代表取締役である『角野裕紀』先生によるセミナーが行われました。
講演のタイトルは『健康寿命を伸ばすために今から出来る運動、食事のお話し』です。
今までの健康セミナーは医療分野の専門の医師の方をお招きして健康に関するお話を伺うという形式でしたが、今回は『フィットネス』の専門家による『運動』をテーマにした講演です。
途中過程でも気軽にできるエクササイズの実演付きでお話を伺いました。それでは、さっそく講演の模様を見ていきましょう(^^♪
『株式会社Fitness to Life』の『パーソナルフィットネス』とは?
今回の講演の講師である『角野裕紀』先生の会社『株式会社Fitness To Life』は、愛知県岡崎市にある『パーソナルストレッチ専門ジム』を運営する会社です。
『パーソナルトレーニング』という言葉は最近よく聞きますが、『パーソナルストレッチ』というのはあまり馴染みがない言葉ですね。
カラダを健康に保つために『ストレッチ』は有効ですが、正しいやり方をしないと効き目がないばかりかカラダにとっても悪影響を及ぼす可能性があります。
『パーソナルストレッチ』は、腰痛や肩の痛みに悩まされている人や姿勢をよくしたいという人向けに『ストレッチトレーナー』がカラダの機能改善や腰痛や肩こりの症状を改善するプログラムです。ひとりでストレッチを行った場合よりも効果が大きいといわれています。
『株式会社Fitness To Life』は、愛知県内に2店舗の『パーソナルストレッチ専門ジム』を運営する他、今日のセミナー会場である『浜名湖レークサイド』を運営する『マグナリゾート』が経営する『KIARAリゾート浜名湖』でも『パーソナルストレッチ』のプログラムを実施しています。
『KIARAリゾート浜名湖』は、マグナリゾートのコンセプトである「Well Aging Resort」にあるように、加齢に抗わず、健康的に美しく年齢を重ねることを楽しみ、無理をせずエイジングケアを継続していくことで、5年後、10年後も生き生きと輝いていられることをめざしています。
そのため、ホテル内に『トレーニングルーム』も完備していて、健康診断用の設備『オライオン バイオスキャン』、『酸素カプセル』もあり、ホテルドクターまでいる徹底ぶりです。
前置きはこれぐらいにして、さっそく講演の中味を見ていきましょう。
健康寿命を伸ばすために出来る運動とは?
ところで、あなたは『健康寿命』という言葉を知っていますか。もう今さら説明する必要もないでしょうが、『平均寿命』に対して『健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間』をさす言葉です。健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳といわれています。
講師の健康寿命を伸ばすために『角野裕紀』先生は次のことが重要であるとお話されました。
- 正しい姿勢
- 適度な運動
- 社会参加
- 口腔ケア
上の2つはフィットネスの専門家である『角野裕紀』先生からの言葉としてはごく自然と思われましたが、『社会参加』と『口腔ケア』も健康寿命を伸ばすためにはとても大切なのだということです。
社会参加といっても大袈裟に考える必要はなく、今回の健康セミナーに参加することも『社会参加』のひとつだということです。何でも社会参加を積極的にする人とそうでない人を比較すると65歳以上の5年後の死亡率では3倍以上の格差があるそうです。
口腔ケアがなぜ健康寿命を伸ばすのか?
『健康寿命を伸ばすために口腔ケアが大事』と聞いたときは、『やっぱりよく食べるためには歯が大事なんだな』と思いました。ところが、『角野裕紀』先生の話を聞いてみると健康寿命を伸ばすためには『唾液』がとても大事な役割をしていることがわかりました。
唾液にどんな効果があるのか、ざっと挙げてみただけでこれだけあります。
- 自浄作用
- 緩衝作用
- 再石灰化作用
- 抗菌作用
- 消化作用
- 湿潤作用
もちろん口腔ケアで歯を磨くことは大事ですけど、唾液が十分に出ないと虫歯や歯周病になったり、体調を崩しやすくなるということですね。
それでは、唾液が十分に出るようにどんなエクササイズをしたらいいのかというと『角野裕紀』先生はセミナー会場で参加者に対して実演をしていただきました。
まずは、①『口の体操』
これは口をすぼめる(『う』と発音する)動作と口を開く(『い』と発音する)動作を繰り返す。
次に②頬の体操
頬をすぼめたり、膨らませたりする動作を繰り返す。
そして、③舌の体操
舌を口の内側の壁に向かって左右に押す。その時に頬の外側から手を添えて手と舌で押し合うような動きをする。
普段しない動きなので結構繰り返すとしんどいと思います。
最後に、『唾液腺マッサージ』です。
両手の親指をそろえて、顎の真下からグッと押す動作をします。 顎の骨の内側の軟らかい部分に親指を当て、骨に沿って5カ所くらいを順番に1~2秒押していきます。
良い姿勢がなぜ健康寿命を伸ばすのか?
ここからは『角野裕紀』先生の専門分野である『姿勢』の話ですが、良い姿勢が大事なのは健康を維持する上で大事なのは何となくわかりますね。
それでは、悪い姿勢を取り続けているとどんな悪影響があるのでしょうか。
一般に悪い姿勢を取り続けているとカラダの部分の違和感、痛みそして機能不全を起こすといわれています。
悪い姿勢の代表的なものが次のものです。
- 円背ー頭部前方変位姿勢 ・・・ いわゆる猫背ですね
- スウェイバック姿勢 ・・・ 上半身が下半身より後ろに位置(スウェイ)した状態
- 腰椎前弯姿勢 ・・・ 仰向けに寝たときに腰と床に隙間ができ腰痛を感じる
- フラットバック姿勢 ・・・ 背骨のカーブが少なく骨盤全体の後傾が強くなる
- 側弯姿勢 ・・・ 脊椎がねじれて左右に曲がっている姿勢
いずれにしても悪い姿勢がカラダに悪影響であることが予測できそうです。つまりカラダの正常な機能を阻害するわけですからね。
運動の身体的な効果
さらに健康寿命を伸ばすために重要なことは適度な運動ですが、『角野裕紀』先生は一般にいわれる運動の効果以外にも次のような効果があるとお話していただきました。
『運動の効果』
- 体形の維持・向上
- 心拍機能の向上
- 腰や膝の痛みの軽減
- 血行促進による肩こり・冷え性の改善
- 免疫力の向上
先ほどの正しい姿勢にもつながることですが、体形を維持したり血行促進により肩こりや腰痛の改善にもつながるのですね。コロナウィルスやインフルエンザが蔓延している昨今の状況では免疫力の向上というのはありがたい効果ですね。
そこで、今回のセミナーでは肩こりの症状改善のための簡単なエクササイズも指導していただきました。
首を左右どちらかに傾けて、傾けた側の手で頭を下方向に押す首のストレッチです。このストレッチはよく行われるエクササイズですが、『角野裕紀』先生のアドバイスはストレッチを行う前に傾ける反対側の鎖骨の下あたりを反対の手でこぶしを作ってぐりぐりとほぐすことです。こうすることによってよりストレッチ効果が高まり肩こりの改善につながります。
ストレッチがとりわけ健康寿命を伸ばすのに効果的な理由
ここからがいよいよ『角野裕紀』先生の専門分野のストレッチの魅力についてのお話です。
とその前にここでクイズです♪
カラダの中で一番大きな筋肉はどこでしょうか?
答えは、『大腿四頭筋』です。太ももの前側の筋肉です。
以下、筋肉の大きさランキングベスト10です。
- 大腿四頭筋
- 大臀筋(おしりの筋肉)
- 三角筋(肩の筋肉)
- ハムストリング(これは有名ですね。太ももの裏側の筋肉です)
- 大胸筋
- 上腕三頭筋
- ヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉です)
- 広背筋
- 僧帽筋(背中の上部から首筋にかけて広がる筋肉)
- 上腕二頭筋(力こぶのこと)
ストレッチはこれらの筋肉をほぐすことによって筋肉内の血流量をアップさせるため運動後には疲労回復の効果があります。
その他にもストレッチの効果はいろいろあり、ざっと挙げるとこれだけあります。
- スポーツのパフォーマンスアップ(血行促進)
- 日常のケガの予防(つまずき、ぎっくり腰)
- 痩せる効果(可動域が広がり消費カロリーアップ)
- リラックスできる(副交感神経のはたらきが活発になる)
- カラダの痛みを軽減できる(肩こり、腰痛予防)
- 粘液が整う(免疫細胞)
そして、ひとりでするストレッチよりも専門のトレーナーについてもらって行う『パーソナルストレッチ』の方がより効果があるのか『角野裕紀』先生から次のように説明していただきました。
- トレーナーにカラダを預けるのでよりリラックスできる
- より脱力した状態なので柔軟性が向上する
- 柔軟性が向上すると関節の稼働域が向上する
- 専門的に学んだトレーナーがその方に合わせて伸ばすので安全に1人では難しい部位も可能になる
その他、私がトレーナーの先生から指導していただいた経験からいうと、一人でストレッチをしていると自己流の間違ったやり方をしてしまうということです。
ひとつ例をあげると、イスに座った姿勢で片方の脚を前に出して前屈をするストレッチの時に私は一生懸命頭を下げてストレッチをしようとしましたが、トレーナーの先生から背筋を伸ばしたままおなかに力を入れて腰の部分(コマネチラインあたり)を折り曲げるようにして前屈してくださいと言われました。正しくストレッチをしないと伸ばしたい部分が伸びないということです。
健康寿命を伸ばすための理想的な食習慣とは?
ここからは、健康寿命を伸ばすための理想的な食習慣についての話です。
食べることは毎日のことですから正しい食習慣を身に付けていきたいものです。
『角野裕紀』先生の講演の中で理想的な食習慣を考える上でいくつかのキーワードが出てきます。
その『キーワード』を見ていきながら理想的な食習慣について考えていきたいと思います。
料理における五味五色五法とは?
ひとつめのキーワードは、料理における『五味五色五法』です。
五味五色というのは、もともとは『陰陽五行説』に由来するものです。
簡単にいうと、
- 五味とは、甘い、塩辛い、酸っぱい、苦い、辛いです。
- 五色とは、白、黒、黄、赤、青です。
- 五法とは、焼く、煮る、揚げる、蒸す、漬けるです。※漬けるが切る(生)になったりします。
五味の方は調味料と関係が深いですね。日本でも古くからいわれている『さ・し・す・せ・そ』ですね。
五色は、次のように分類されます。
- 赤:トマト、にんじん、赤ピーマン、鮭、エビ、肉類
- 青:きゅうり、ピーマン、青菜(ほうれん草、小松菜)、ブロッコリー
- 黄:かぼちゃ、とうもろこし、じゅがいも、さつまいも
- 白:だいこん、ねぎ、玉ねぎ、れんこん、カブ、ごはん、パン、練り製品
- 黒:黒豆、黒ゴマ、海藻類、きのこ類、こんにゃく
おもしろいことに、野菜が全部の色に含まれていますね。
野菜は水溶性ビタミンの補給源であり食物繊維やミネラルの補給源でもあります。食物繊維は『腸の掃除役』ともいわれ生活習慣の予防につながります。ミネラルの一種である『カリウム』は血圧を下げる働きがあります。
また、ほうれん草や小松菜に含まれる『ポリフェノール』には『活性酸素』を抑える働きがあります。『活性酸素』は体内の細胞や組織を酸化させ生活習慣病の原因となる物資ですから、いかに野菜が『健康寿命を伸ばすのに理想的な食べもの』であることがわかります。
次に『五法』のお話ですが、同じ食材でも調理の変化によってエネルギーが大きく変わってきます。一般に次の調理方法の順番でカロリーが高くなっていきます。
一番高カロリーな調理方法が
- 揚げる → 炒める → 煮る → 蒸す → 焼く → 茹でる
自分の基礎代謝量を知ろう
次のキーワードは、『基礎代謝量』です。
最近、カラダの健康状態を表す指標に『体脂肪率』ということばと並んで『基礎代謝量』という言葉をよく聞くようになりました。
『基礎代謝量』というのは「生命を維持していくために必要なエネルギーを意味します。基礎代謝量が高いと多くのカロリーを消費するため一般に太りにくいといわれています。また、基礎代謝が高いと体温を高く保てるようになり血流もよくなり自律神経も整いやすくなります。
基礎代謝量というのは人によって異なりますが、一般に次のような要因によって決まってきます。
- 体表面積:広い方が高くなる
- 年齢:若い方が大きい
- 性別:男性の方が高い
- 体幹:筋肉質の方が高い
- 体温:1度上がると13%増加
- ホルモン:分泌量が増えると高くなる
- 季節:冬場に高くなる
冬場の方が高くなるというのは意外に聞こえるかも知れませんが、寒い時期の方が体温を維持するのにそれだけ余計にエネルギーを必要とするため当然なのでしょう。だから基礎代謝量が少なくてすむ夏場に同じだけ食べると太りやすくなるというのは自然のことですね(^^♪
基礎代謝量以上にカロリーを摂取しないようにしましょう♬
『健康寿命を伸ばすための理想的な食習慣』という話で『基礎代謝量』というキーワードを持ち出したのには意味があります。
1日に必要なカロリーというのは次の式で決まります。
『1日に必要なカロリー』=『基礎代謝量』×『身体活動レベル』
また、新しいキーワードが出てきましたね。『身体活動レベル』です。身体活動レベルというのは1日の中でどのようにして過ごすのかということです。
概ね次のように分類されます。
- 身体活動レベルが低い:ほとんど座って仕事をしている。
- 身体活動レベルがふつう:デスクワーク中心の仕事だが通勤や買い物、家事などで動くこともある。
- 身体活動レベルが高い:立仕事、あるいはスポーツなどを習慣的に行っている。
そして、大事なのは『1日に必要なカロリー』以上を摂取しない(食べない)ことです。
しかし、ここで皮肉なことに『健康寿命を伸ばすための食習慣』のセミナーを聞いた後で本日の宿泊先である『KIARAリゾート浜名湖』で『ディナーバイキング』を食べることになるのです。
完全にカロリーオーバーです。だって美味しんだもん(^^♪
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