マーケティングや広告の分野で有効な『ストーリーテリング(物語りを語る)』の構成要素には以下の7つがあるというお話をさせていただきました。
- 何らかの目的を持つ『主人公』
- それを達成する前に出くわす『問題』
- 主人公が絶望の淵に立たされたときに現れる『導き手』
- 導き手が示す『計画』
- そして導き手が促す『行動』
- 主人公が行動したことによって味わう『失敗』
- そして失敗を回避して最後に勝ち取る『成功』
最初の2回で物語りの主人公を設定し、主人公の目的を定め、それを実現させるために障害になる『問題』も明らかにしました。
ストーリーブランド戦略!消費者の問題を物語で明らかにしましょう!
そして、いよいよあなたの登場です。
そうです。あなたは『主人公』になってはいけませんでしたよね。
読み手はあなたが主人公の物語りなんて聴きたくはありません。
では、物語りにおいてあなたの役割はいったい何でしょうか!?
あなたの役割は主人公を奮い立たせる導き手という存在!
物語りにおいて、あなたが担うべき役割は主人公を奮い立たせる『導き手』という存在です。
『ドナルド・ミラー』氏は、その著書『ストーリーブランド戦略』で主人公である消費者の問題を解決するために重要な役割を果たす『導き手』について次のように語っています。
『物語りで主人公が独力で問題を解決すると観客は興味を失う。』
『自分で解決できるということは、そもそも困っていなかったのだろうと直感的に感じられるためだ。』
そうですね。主人公が自力で解決できる問題というのはもともとたいした問題ではなかったと聞き手は受け取ってしまうでしょうね。
物語りの語りては、『導き手』を利用して主人公を奮い立たせ、勝つために必要なものを備えさせるものなのです。
あなたがこれまで見てきた物語りは、ほぼすべて『導き手』が存在していたはずです。
幼い子どもたちのヒーローである『アンパンマン』にも『ジャムおじさん』という『導き手』がいました。
出典:https://www.anpanman.jp/about/friends/rq7t8rx2i4nmqrik.html
あなたを主人公にするという致命的な間違い!
繰り返しになりますが、あなたが犯してはいけない間違いは、自分を主人公にするということです。
消費者を常に主人公として、あなたは導き手に徹しましょう。
『ドナルド・ミラー』氏によると『物語りの主人公はたいてい準備不足で自信がなく、自分が必要な資質を備えているかどうかわからない。』また、『しばしば消極的で物語りの筋には進んで関わるというよりは、物語りに巻き込まれる』と言います。
そして、導き手に対しては、『すでに行ったことがあり、やったことのある人物で、過去に自分自身が物語りの主人公としてその課題を克服済みである』と定義しています。
そうなると、主人公よりも導き手の方が強くて有能であると言えそうです。だからといって、主人公に代わって導き手が冒険を始めては物語りとしては面白くなくなるし、聞き手も途端に興味を失うと思います。
導き手の持つ2つの特徴とは!?
それでは、消費者の生活における導き手として、あなたを聞き手に認識してもらうにはどうしたらよういでしょうか!?
『ドナルド・ミラー』氏は、それには『共感』と『導き手としての資格』を聞き手に伝える必要があると言います。
【共感】
消費者のジレンマ(目的とそれに対する問題という障害)に共感するときに、あなたは消費者の信頼を勝ち取ることができます。
人間は自分を理解してくれる人に信頼を寄せるものです。
消費者の内的問題を特定したら、あなたはそれを理解しており、解決策を用意していることを顧客に示す必要があります。
【導き手としての資格】
導き手を求める主人公が信頼するのは、必要な知識や経験を備えた人物です。
あなたは、消費者にあなたが必要な知識や経験があることを示さなければいけません。
例えば、次のようなものを顧客に示すと効果的だと思います。
・お客様の声
・統計
・受賞歴など公に評価されたもの
主人公に、導き手としての信頼を感じてもらわなければ、主人公は物語りにおいて導き手のアドバイスに従うこともないでしょう。
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