アーティスト別にお届けしている「おすすめランキング」、今回のアーティストは、”Sad Cafe”(サッド・カフェ)です。
“10cc”の”Eric Stewart”がプロデュースする前と後で、バンドのサウンドに変化があったと感じます。
プロデュース前は、荒削りではありましたが、ボーカルの”Paul Young”の迫力のボーカルが、くっきりとした輪郭のメロディー・ラインによくマッチしていました。
一方で、”Eric Stewart”が手掛けたアルバム”Facades”以降のサウンドは、従来のメロディーの美しさに加え、洗練されたサウンドが展開されていて、どちらの時代の音も魅力的です。
第10位:”Hungry Eyes”
デビュー・アルバムの”Fanx Ta-Ra”(邦題:「悲しき酒場の唄」)に収録されている曲です。
アコースティック・ギターとピアノのアンサンブルにストリングスが加わり、美しいハーモニーを醸し出しています。
曲の前半は静かに始まりますが、徐々に曲の後半にかけて盛り上がりをみせ、”Paul Young”の力強いボーカルが冴え渡ります。
第9位:”Strange Little Girl”
“Strange Little Girl”が、収録されている3作目のアルバム”Facades”から、”10cc”の”Eric Stewart”がプロデュースをしています。
収録曲の”My Oh My”などは、これまでの”Sad Cafe”らしく”Paul Young”の野性味あふれるボーカルが聴けますが、この”Strange Little Girl”などは、”10cc”を思わせるようなボーカルの掛け合いや、ギターやドラムの使い方に”10cc”で使われる技法がみれます。
第8位:”Misunderstanding”
アルバム”Ole”の収録曲です。
もともとパワフルな歌声の持ち主の”Paul Young”が、少し抑え気味に爽やかに歌い上げます。
楽曲の良さを活かしながらも、ボーカルの存在感も少しも薄れることのない優れたシンガーのなせる業です。
第7位:”Send In The Clowns”
セカンド・アルバムの”Misplaced Ideals”の収録曲です。
このアルバムのオープニング・ナンバーの”Restless”も初期の”Sad Cafe”らしくヘビーなナンバーですが、「息つく暇もなく」、この”Send In The Clowns”が続きます。
前奏のサックスの音が、いやがおうでもボルテージを高めていきます。
曲の後半部分では、”Paul Young”のシャウトが大賑わいをみせています。
第6位:”Run Home Girl”
アルバム”Misplaced Ideals”でも、”Send In The Clowns”に続く曲が、この”Run Home Girl”です。
前奏の心地良いサックスに続いて、美しいメロディが流れてきます。
美しいメロディーと”Paul Young”の力強い歌声が、豊かな相乗効果を生み出しています。
第5位:”Black Rose”
再び、デビュー・アルバム”Fanx Ta-Ra”からの一曲です。
サビの部分が恐ろしくカッコよく、そしてまた美しい楽曲です。
ギターがすがすがしいほどのうねりをみせています。
もちろん、最大の魅力は、”Paul Young”の熱い歌声です。
第4位:”L.A.”
アルバム”Ole”に収録されている曲です。
前奏とサビの部分のシンセサイザーによるストリングスのフレーズがとても印象的で心にぐっとくるものがあります。
私の知る限りでは、このアルバム”Ole”が、”Sad Cafe”の最後のオリジナル・アルバムだと思いますが、このような楽曲が作れるのならまだまだ活躍の場はあったのではないかと残念に感じます。
第3位:”Losin You”
4作目のアルバム”Sad Cafe”(セルフ・タイトル)のハイライト曲、”Losing You”です。
3作目のアルバム”Facades”は、”Eric Stewart”も”Sad Cafe”初のプロデュースということもあり気負いすぎたのか、 邦題の「虚飾の扉」にあるように、若干懲りすぎたきらいがありました。
しかし、プロデュース2作目の余裕からか、”Sad Cafe”の魅力をストレートに引き出して好楽曲に仕上げました。
第2位:”I Believe (Love Will Survive)”
アルバム”Fanx Ta-Ra”のエンディングを飾る曲です。
曲全体が、よくできた楽曲ですが、曲後半の”Paul Young”の歌声とメンバーのコーラスが心地良く、いつまでも聴いていたくなるような気分にさせてくれます。
第1位:”On With The Show”
こちらも、アルバム”Misplaced Ideals”のラストを飾る曲で、ランキング1位、2位が奇しくもアルバムのラスト・ナンバーになりました。
アルバムのラスト・ナンバーが素晴らしい楽曲だと、アルバムを通して聴いた後の余韻も楽しめるのではないでしょうか。
ちょうど、いい映画を観たあとのエンドロールをしばらく眺めているのと同じような満足感が得られます。
とにかく、この曲”On With The Show”は、前奏から、”Paul Young”の歌声とギターが絡み合う曲のラストまで”Sad Cafe”を味わい尽くせる名曲です。
いい曲を聴き終わったあとの余韻もとびきり長く感じられる曲です。
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