アーティスト別にお届けしている「おすすめランキング」、今回のアーティストは、”Blur”(ブラー)です。
“Blur”の代表的なアルバムとして、”Parklife”をあげることが多いと思いますが、私の個人的な好みは、その前後のアルバムの方です。
ですから、”Parklife”収録曲の大ヒット曲”Girls and Boys”は、ランキング外となりました。
(このような、電子オンサウンドは、”Pet Shop Boys”に任せておけがよいというのが、個人的な見解です。)
では、どのような曲が、ランキングされているのでしょうか。
第10位:”Beetlebum”
“Blur”のイメージを一新させた衝撃の曲”Beetlebum”です。
収録アルバムは、セルフ・タイトルの”Blur”です。
このアルバム・タイトルにも驚きです。
デビュー・アルバムが、セルフ・タイトルというのは、珍しくもありませんが、「ブリットポップ・ムーブメントの覇者」として名を轟かせ、さらに、5作目というのに、「はじめまして、”Blur”です。」みたいな感じのアルバム・タイトルには意表をつかれました。
この曲”Beetlebum”には、”Blur”お得意の遊び心とかみじんもなく、緊張感が漂うタイトな曲です。
第9位:”Stereotypes”
ライブで大盛りあがりなのは、アルバム”Great Escape”に収録されている”Stereotypes”です。
「ブリットポップ・ムーブメントの覇者」と言われている”Blur”ですが、正直な話、私はいまだに「ブリットポップ」なるものの、音楽を理解しておりません。
ただ、”Blur”には、他のどのバンドとも似ていない独創性を感じます。
この曲”Stereotypes”も、独特のリズムで、依存症に陥りそうなメロディーが繰り返されます。
第8位:”Song 2″
アルバム”Blur”に収録。
アルバム”Blur”のオープニング曲の”Beetlebum”は、たしかに良い曲ですが、このシリアス路線で終始してしまうと、ちょっと疲れそうです。
しかし、そんな不安を2分あまりの”Song2″で払拭してくれました。
この2分間という短い時間の中で、”Blur”の遊び心あふれる独創性が凝縮されています。
第7位:”Coffee And TV”
アルバム”13″に収録されている”Coffee And TV”です。
アルバム全編にわたって”Tender”の感じでやられたらどうしようかと思いましたが、みなさんが期待している通りの”Blur”は健在でした。
せっかく曲はいいのに、”PV”の牛乳パックの旅のストーリーが面白すぎて、曲そっちのけになるのが、残念でなりません。
第6位:”Chemical World”
前奏からワクワク感が伝わってくるハッピー・ソング”Chemical World”は、アルバム”Modern Life Is Rubbish”の収録曲です。
“Modern Life is Rubbish”は、ワクワクするような曲がたくさん詰まったアルバムです。
決して、”Rubbish”「ゴミくず」とは、言えない愛しい曲のオン・パレードです。
そんな中でも、”Chemical World”は、”Damon Albarn”が、メイン・ボーカルとバック・コーラスを独り占めにして歌う、痛快な曲です。
第5位:”Country House”
第9位で登場した”Stereotypes”に続いてかかる曲は、”Country House”(アルバム”Great Escape”に収録)です。
この2曲が続いて流れてくると、さすがに気分があがりますね。
郊外の「カントリー・ハウス」でのんびりすごしたいなど、都会派の”Blur”ならではですね。
(田舎者の私は、始終、カントリー・ハウスで暮らしています。)
第4位:”To the End”
アルバム”Parklife”に収録されている曲です。
遊び心あふれたアルバム”Parklife”にあって、大真面目で正攻法の”To the End”です。
こんな曲も作れるんだと驚きの楽曲です。
第3位:”Young and Lovely”
「収録されているアルバムは、○○です。」と言いたいところですが、実は、オリジナル・アルバムには収録されていません。
強いて言えば、”Modern Life is Rubbish”のボーナス・トラックとして収録されているというのが実態です。
第6位のシングル曲”Chemical World”のB面ということですが、何ともお買い得なシングル盤です。
どちらが、A面でもいいぐらい甲乙つけがたいできです。
(私は、”Young and Lovely”をA面に推したいほどです)
エンディングの淡々と繰り返すフレーズは、永遠に終わらないで欲しいと思うほど感動的です。
第2位:”For Tomorrow”
アルバム自体おすすめの”Modern Life is Rubbish”のオープニグを飾るナンバーは、”For Tomorrow”です。
この曲があるから、アルバムをおすすめするようなものです。
「ラ~ラ~ラララ~」のコーラス部分は、「これぞ”Blur”節」といったところです。
第1位:”Charmless Man”
アルバム”Great Escape”の中核となる名曲”Charmless Man”です。
「ナナナナナーナナーナ」ロック・ミュージックに名を刻むべき偉大なコーラスです。
“For Tomorrow”に代表されるアルバム”Modern Life is Rubbish”と”Charmless Man”に代表されるアルバム”Great Escape”、私が冒頭で、一般に”Blur”の最高傑作と名高い”Parklife”よりも、前後のアルバムの方を推す理由がそこにあります。
番外編
“Blur”後期の作品で、アルバム”13″に収録されている”Tender”は、異色の作品です。
“Blur”自体が、異色のロック・バンドでありますが、”Tender”は、心配になるほどの穏やかな曲です。
アルバム”13″が、この路線で突っ走るのかと思えば、”Coffee And TV”では、従来の”Blur”の音が聴けて安心したものです。
“Damon Albarn”によれば、昔から、ブラック・ミュージックへの関心はあったということですから、この”Tender”が、誕生したいわれももう少しつきつめてみたいような気もします。
ところで、アルバム”13″のアルバム・ジャケットの絵は、どこか「ゴーギャン」の「タヒチの女」を思わせる色使いですね。
“Tender”の南国ムードのサウンドと南国「タヒチ」の楽園が、何だかだぶるのは、私だけでしょうか。
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