アーティスト別にお届けしている「おすすめランキング」、今回のアーティストは、”OMD”です。
“OMD”、念の為に、正式のバンド名をお伝えしておきます。
“Orchestral Manoeuvres in The Dark”です。
長いですね。
これだけ長いと、誰も、正式名で呼ばなくなるはずです。
本人たちもいつしか、アルバム・ジャケットに、”OMD”と表記するようになりました。
バンド名同様、前置きが長くなりましたが、では、ランキングの発表にいってみたいと思います。
第10位:”We Love You”
アルバム”Pacific Age”に収録されている曲ですが、このアルバムから、ブラス・セッションなんかが導入され、従来のエレクトリック・ポップのイメージから随分と方向転換した感じです。
編成も”Andy McCluskey”と”Paul Humphreys”の2人のユニットといった感じでしたが、随分とバンドらしくなってきました。
この曲”We Love You”は、とても躍動感があり、キャッチーな曲に仕上がった好楽曲だと思います。
第9位:”Georgia”
おやおやシングル・カットもされていない曲が、ランキングにまぎれこんできたと思った方もいるかもしれませんが、この”Georgia”という曲は、アルバム”Architecture And Morality”に収録されている曲です。
この”Architecture And Morality”というアルバムは、”OMD”ならではの独自の世界観をもったアルバムです。
エレクトリックなサウンドでありながら、中世のヨーロッパの世界観を感じさせる”OMD”にしか作れない作品です。
その中でも、この曲”Georgia”は、小気味良い感じのリズムに、キラキラしたメロディーは、「音の宝石箱やん!」といった感じです。
第8位:”Talking Loud And Clear”
「宝石箱」と言えば、この曲”Talking Loud And Clear”(アルバム”Junk Culture”に収録)も、そんな表現がぴったりとあてはまる曲です。
収録されているアルバム”Junk Culture”のジャケットの写真は、まさにこの曲の世界観を表現しているかのようです。
こうした独特の世界観を持っている”OMD”だからこそ、エレクトリック・ポップのムーブメントが終わっても、さらに多くの聴衆から支持されているのでしょう。
第7位:”Secret”
アルバム”Crush”に収録されている曲です。
前作のアルバム”Junk Culture”が、空前の大ヒットで、「エレクトリック・ポップの極み」みたいな、”Locomotion”と”Tesla Girls”を作ってしまったので、もうやりきってしまったのではと心配しましたが、その手があったのかと感心したのが、本作の”Crush”でした。
エレクトリック・ポップだからといって、めちゃめちゃ弾ける必要がないということを証明してくれました。
叙情的なサウンドで、奥深い新たな”OMD”を披露してくれました。
この曲”Secret”の秘密めいた音は、リード・ボーカルの”Paul Humphreys”の神秘的な歌声がなければ成立しない曲です。
第6位:”So In Love”
アルバム”Crush”からもう一曲。
“Locomotion”、”Tesla Girls”と、アクセル全開の曲が続いたあと、「次の展開は?」と、当時、この曲がリリースされたときは、ドキドキでした。
意外にも、さらっとした曲で、見事にかわされたといった印象でしたが、じわじわとクセになるほど、何度も聴きたくなるような愛しい曲になりました。
メランコリックで美しい魅力的な曲です。
第5位:”Souvenir”
アルバム”Architecture And Morality”に収録されている曲です。
リード・ボーカルの”Paul Humphreys”で、やはり、彼の独特な歌声が、曲の雰囲気を創りだしています。
幻想的な雰囲気が漂う、この”Souvenir”という曲は、”XTC”の”Wonderland”を彷彿させます。
曲のメロディーと”Paul Humphreys”の歌声がとても甘美で、溶けてしまいそうです。
第4位:”Joan Of Arc”
みたび、アルバム”Architecture And Morality”からの曲”Joan Of Arc”です。
このアルバムの邦題は、「安息の館」というタイトルでした。
アルバム全体がひとつの統一したコンセプトを持っているような内容でした。
そのコンセプトが、この曲”Joan Of Arc”に凝縮されているようにも思えます。
まさに、”In the Dark”「暗闇」から、何かが迫ってくる緊張感と、それが、わくわくするものであるという期待が入り混じった複雑な思いが交差する不思議な感覚です。
第3位:”Locomotion”
文句なしに、わくわくできる曲です(アルバム”Junk Culture”に収録)。
名曲がたくさん詰まったアルバム”Junk Culture”の中でも、際立って、イカした曲です。
エレクトリック・ポップの殿堂入り最右翼の曲でしょう。
第2位:”Telegraph”
“Andy McCluskey”と”Paul Humphreys”の2人の掛け合いが見事なキャッチーな曲”Telegraph”です。
この曲が、収録されているアルバム”Dazzle Ships”は、実験色が強く、とっつきにくい曲も多々ありますが、”Telgraph”は、誰もが思い描くようなエレクトリック・ポップです。
第1位:”Tesla Girls”
アルバム”Junk Culture”の収録曲が、上位を占めました。
アルバムでは、表題曲の”Junk Culture”の後、この”Tesla Girl”が、そして、”Locomotion”へと怒涛の快進撃です。
本当に勢いを感じます。
曲も過激ですが、”Elecrtric Chair”まで飛び出すほど歌詞の方も過激です。
しかし、楽曲はどうどうの一級品です。
番外編
以上で、ランキングの発表は終わりですが、「気づいちゃった!気づいちゃった!わ~い。わ~い!!」と言っている人がいるので、耳を傾けてみましょう。
“Enola Gay”(邦題「エノラゲイの悲劇」)が、入っていないということですね。
“OMD”が、日本で紹介された当時は、「エノラゲイの悲劇」の”Orchestral Manoeuvres in The Dark”という表現をよく見かけました。
しかし、”Joan Of Arc”や”Locomotion”など名曲を次々と打ち出してくる彼らに対して、いちいちそのような枕詞をつけることは、「カマキリ拳法のラビット関根(関根勤)」と同じくらい冗長的な表現です。
さりとて、彼らを一躍有名にした曲ですので、敬意を払いご紹介させていただきます。
改めて、”Enola Gay”です。
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