3月に入り、各地の河津桜も満開となり、春の兆しが感じられるこの頃ですが、今日は、肌寒く温泉が恋しい気候となりました。
今日は、息子からもらった「遠州 和の湯」の温泉入浴券を握りしめて、袋井市の「和の湯」に行ってきました。
(毎月26日『風呂の日』に、行くと次回利用できる「温泉入浴券」がもらえる有難いサービスがあります)
開放感のある露天風呂
まずは、薄い茶褐色の「ナトリウム―塩化物泉」の内湯に入り、さっそく露天風呂に向かいました。
内湯から見下ろすような形で露天風呂が広がっています。
庭園に囲まれるようにして、大きな岩風呂の露天風呂が中央に鎮座していて開放感を感じます。
岩風呂の中にある「電気風呂」を試してみました。
ここの電気風呂は、電気の強さもマイルドで、電気に過敏な私にはちょうど良い強さです。
他の温泉の電気風呂に入ると、あまりの衝撃に指先が自分の意思とは関係ない方向に曲がろうとしてたじろぐことがよくあります。
その点、「和の湯」の電気風呂は心地良い程度の刺激で、あまりの気持ち良さに不覚にも露天風呂の中で寝てしまい、一瞬ここがどこなのかわからなくなりました。
出典:遠州 和の湯
サウナの後は井戸水の冷水
今日は、3月なのにとても肌寒かったので、すかさず、露天風呂に隣接しているサウナに入りました。
私はどちらかというと、サウナそのものよりも、その後の冷水に浸かることを無情の悦びとしている輩です。
ここの冷水は、「水風呂」、「かけ水」(かけ湯ではなく、かけ水というのはユニークですね)とも「井戸水」ですので、「水風呂マニア」の私には大変有難いシステムです。
ちょっと変わった炭酸泉
和の湯オリジナル・ブレンド
最近はどこの温泉にもある「炭酸泉」ですが、和の湯の炭酸泉は、他の温浴施設とちょっと違います。
源泉の薄い茶褐色と同じ色をしています。
ここの炭酸泉は、源泉に炭酸ガスを混ぜているのです。
炭酸泉は温熱効果に優れ、さらに源泉と結合することにより、血行が良くなると言われています。
血行が良くなることで、十分な栄養素と酸素を含んだ新鮮な血液が身体の隅々まで運ばれ肌の細胞が活性化します。
時代劇一話見てものぼせない
炭酸泉は、血行が良くなるので、比較的温度が低くても、体の芯から温まることができます。
ふと、炭酸泉の露天風呂のすぐ横に設置されているテレビに目をやると、体の芯から暖まる番組が放映されていました。
定年退職した人にとって、時計替わりになっている「水戸黄門」です。
以前、別の温泉施設に入っていた時の話ですが、ある年配の方が、温泉施設の係員と一緒に、露天風呂にはいっているお客さんたちに、「水戸黄門」を見たいのでチャンネルをかえていいかと聞いてきました。
チャンネルをかえることを承諾すると、係員が、チャンネルを回しながら、くだんのお客さんに「どこのチャンネルもやってませんよ」と言っていました。
「今日は日曜日だからお休みだ」と年配のお客さんは声をあげました。
「水戸黄門」は、曜日もわかるんだと感心しました。(平日か休日かの区別だけですが)
今日の舞台は、津軽地方です。
ゲストは、「津軽塗り」の頑固職人の親父と父の仕事を継ぐせがれです。
親父は、息子を「おまえの作品には魂がない」といつも小言を言って半人前扱いします。
ストーリーについては、いつも決まった形式を踏襲しているので割愛します。
後半の見せ場で、亡くなった頑固職人の妻、つまり息子の母が、妹の津軽三味線プレイヤーのあの「帰ってこいよ」の松村和子に託した形見の品を息子に渡すシーンがあります。
息子が小さい時に、両親に喜んでもらいたくて必死につくった「津軽塗りのお盆」です。
それを受け取った息子は一念発起して、魂のこもった作品をとうとう作り出すのですが、そのシーンで私の涙腺もゆるくなり、なんだか今日の「ナトリウム―塩化物泉」は、塩分が濃いぞと言い出しそうになる始末でした。
結局、「水戸黄門」をこの炭酸泉に浸かりながらまるまる一話見てしまいました。
普通の温泉なら、のぼせて担ぎ出されるところでした。
「印籠」を出すシーンは、炭酸泉の効能でしょうか、爽快感を感じます。
ところで、子供の頃に見た「水戸黄門」にも、「由美かおる」が出ていましたが、今日みた姿とあまり変わらないような気がしました。
毎日この時間に、ここに来ているので、由美かおるが美しさを今だに保っているのも頷けます。
出典:正しい歴史認識 – FC2
別府に行った気分の乳白色のにごり湯
炭酸泉の後は、もう一つの露天風呂に入ってみました。
乳白色の温泉は、他の温浴施設でいう「シルク風呂」にも思えますが、実は、「硫黄泉」です。
私が、硫黄泉に浸かっていると、係員が、竹筒の容器から、黄色ぽい液体を流していました。
何を注いでいるのかと尋ねたら、「硫黄です」との回答でした。
「硫黄泉だから、硫黄を注いでいるのよ。当たり前でしょ。」という顔をしているのかなと想像しながらも、硫黄が黄色い色をしているのと、お湯に溶かすと白く濁るのを不思議そうに見ていました。
(「硫黄というぐらいだから、黄色なのも当たり前でしょ」とまでは言われませんでした。
係員の人はエスパーではないので、踵を返すこともありませんでした。)
内湯のジェットバス
内湯のジェット・バスも、お客様を楽しませてくれるひと工夫があります。
内湯のジェット・バスは、一人分ずつ区切られていて、ジェット・バス作動用のスイッチが取り付けられています。
普段は、何事もなかったようなジェット・バスも一度スイッチをいれると、めくるめく幸福な時間が流れるような仕掛けになっています。
よく考えるとなんてことのないシステムですが、始終泡を吹いているジェット・バスよりも、ここぞというときに躍動する方が有り難みを感じます。
ふと、隣のジェット・バスを見ると、おじいさんが、作動用のスイッチを押し続けながらジェット・バスに浸かっていました。
ああ、これではリラックスできないよと思いましたが、「イナバウアー」みたいに反り返ってジェット・バサーになっていました。
誰も他人の楽しみを奪う権利はありません。