あなたがセールスコピーやブログ記事を書いているときは、たいてい新規顧客を狙って書いている場合がほとんどではないでしょうか!?
潜在顧客の問題点を炙り出し、その解決策を提案してターゲット顧客にあなたの商品やサービスを買ってもらおうとしているはずです。
しかし、あなたの真のお得意さまは、ロイヤリティ―の高い『既存顧客』の中にいます。
あなたのブランド価値は、既存顧客との信頼関係の上に成り立っています。
あなたのビジネスを成功させるためには、既存顧客の満足度を上げる必要があります。
なぜ、既存顧客へのマーケティング活動を強化しなければならないのか!
『スコット・ストラッテン』氏と『アリソン・クレイマー』氏による共書『アンマーケティング』で、企業のマーケティング活動と消費者のその反応において興味あるメッセージを発信しています。
『企業はより良いコマーシャルを放送しようと躍起になっているが、消費者の方は何とかコマーシャルを見ずに済ませようと躍起になっている。』
企業は新規顧客を獲得しようと膨大な広告宣伝費を費やしています。
新規顧客を獲得すれば、その顧客が生涯に渡ってその企業の商品やサービスを購入し続ければ企業に莫大な利益をもたらすからです。
新規顧客を獲得するためのコストと、その顧客が生涯に渡ってどれだけ商品やサービスを購入してくれるかというのを企業は天秤にかけているわけです。
その大事な指標を『リッチ・シェフレン』氏は、その著書『インターネットビジネスマニフェスト』で取り上げています。
- 『CPA:Cost Per Acqusition 顧客獲得単価』
- 『LTV:LifeTime Customer Value 顧客生涯価値』
CPAは、新規顧客を獲得するために必要なマーケティングや広告の費用です。
LTVは、獲得した顧客が全期間(顧客ライフサイクル)における支払った総額です。
しかし、これはあくまでも、新規獲得した顧客が、これからもその企業の商品やサービスを購入し続けたという前提の話です。途中で離反してしまえば意味のない数字となってしまいます。
マーケティングのコストや時間は新規顧客のために使ってきたのではないか!
『今までのマーケティング活動は、あまりに「新規顧客」のために使われてきたのではないか!』
というのが、『スコット・ストラッテン』氏の『アンマーケティング』という言葉に秘められた思いなのではないかと感じます。
『スコット・ストラッテン』氏は、今までの企業の『広告』や『優待プログラム』、無料キャンペーンなどのオファーはほとんどすべて新規顧客獲得のために使われてきたと言っています。
彼は、『購買ピラミッド』の頂点にいるのはいったい誰かということをもう一度考えてみてほしいと主張しています。
『スコット・ストラッテン』氏は、既存顧客との関係を深める努力をもっとすべきだという理由を次のように説明しています。
・企業は、自社の商品やサービスを使うことを顧客の日課にしてもらおうと努力している。
・いったん日課になってしまえば、そこに大変な金銭価値が生まれる。(顧客生涯価値)
だから、企業は顧客生涯価値を高める『既存顧客』の満足度を高めるための行動をとらなければならないと言っています。
既存顧客は、『経験ギャップ』によって元顧客に変わっていく!
ところが、企業は新規顧客の獲得には熱心だが、『既存顧客』の満足度を高めることにはあまり熱心ではないと『スコット・ストラッテン』氏は語っています。
・企業は、顧客と最初の取引を成立させるために『最高のサービス』を提供しようとします。
・取引が継続するにしたがって、そのサービスレベルは低下します。
・時には、何かの事情(企業側のミスなど)で最悪のサービスレベルまでに落ちるときがあります。
『スコット・ストラッテン』氏は、この最高のサービス(新規顧客獲得時のサービスレベル)と最悪のサービスとの差を『経験ギャップ』と呼んで、このギャップが大きいほど顧客は落胆し、ライバル企業への心変わりが起きるのだと言います。
ですので、あなたが発信する情報が、新しい商品やサービスの提案ばかりで、せっかく購入者となってくれた既存顧客をないがしろにすると、既存顧客はあなたの元顧客になってしまいます。
『ほとんどの企業は、顧客は何か不満があれば文句をいいに来るだろうと思っているかも知れませんが、ほとんどの顧客は何も言わずにただ買わなくなるものだ』と『スコット・ストラッテン』氏は語っています。
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