『忙しい社長のための「休む」技術』書籍レビュー

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集中力、モチベーション、生産性を高める最新科学

忙しい社長のための「休む」技術

トニー・シュワルツ 著

ダイレクト出版

『忙しい社長のための』と聞いてあなたは自分とは関係ないと思ったかも知れません。しかし、現代人はみなひと昔前の社長のように忙しい毎日を送っているのではないでしょうか。

テクノロジーの進歩のおかげで毎日の仕事は次から次へと舞い込んでくる膨大な仕事を猛烈なスピードで処理しているという状況ではないでしょうか。

一度にたくさんの仕事を処理しているつもりでもその働きかたは意外と生産的ではなかったとしたらどうでしょうか。

この『忙しい社長のための「休む」技術』は、こうした一見忙しく働きまわっている状態が必ずしもベストなパフォーマンスを生み出していないことを様々な科学的な事件により証明しています。

一流のバイオリニストとそうでないバイオリストの練習方法の違いは!?

この本『忙しい社長のための「休む」技術』の冒頭に、将来ソリストとして活躍するバイオリニストとオーケストラの楽団のひとりとして活躍するバイオリニストと、それ以外の音楽教師などの職につくバイオリニストの集団の練習方法をリサーチしたフロリダ州立大学の実験結果が登場します。

一流のバイオリニストとそうでないバイオリニストの練習方法の違いは、どこにあったとあなたは思いますか。

総練習時間の多さはもちろんでしたが、それ以外にも驚くべき結果がわかりました。それは、一流のバイオリニストの睡眠時間でした。一流のバイオリニストの平均の睡眠時間は8.6時間と平均的なアメリカ人の睡眠時間の6.5時間(日本人の平均睡眠時間もおそらくこれぐらいだと思います)を上回っていました。さらに、彼らは週に3時間ほどの昼寝をとっていたといいます。

一日に換算すると毎日30分ほどの昼寝をしていたことになります。

また、1回の練習時間は90分間を超えることはなく、練習時間もその日のどの時間に行うか決まっていたそうです。つまり、練習するときは集中して行い、その後はエネルギーの回復の時間をとることでバイオリンの演奏技術が向上したと言えるのではないでしょうか。

ダイエットがなぜ失敗に終わるのかも解説!

また、本書では『ダイエットがなぜ失敗に終わるのか』という人間の意志と自制心のメカニズムについても触れています。今はやりの『糖質制限ダイエット』や『炭水化物制限ダイエット』に挑戦しているひとも多くいると思いますが、きっと思いのほかうまくいっていないのではないでしょうか。『この食べ物を食べてはいけない』と意識をその食品に集中するあまり、ガマンを重ねますが、ついにはガマンの限界がきて遠ざけていた食べものを大量に食べてしまうという経験はありませんか!?

人間は食べたいものをガマンするときに相当の意志の力と自制心を必要としますが、そのときに人間の活動に必要な共通のエネルギーをどんどん消費しているといいます。やがて、そのエネルギーが尽きるとき誘惑に勝てずにダイエットは失敗に終わります。しかも、この失敗は繰り返されます。

ダイエットが失敗に終わるだけではなく、ダイエット中はエネルギーを消費していますので、他の活動にも集中力が十分に保てなくなり作業効率も落ちます。

マルチタスクの仕事の仕方はジャグリング状態!

冒頭の忙しい現代人の仕事ぶりの話に戻りますが、職場で次から次へと舞い込んでくる仕事や電話や電子メールの対応、会議への出席とこなさなければならない仕事が集中してくると、ヒトは同時に複数の作業をしようと思うのではないでしょうか。例えば、会議の資料を作っている最中に顧客からの電話を受け、電子メールの着信があればその内容を確認するといった具合です。

著者のトニー・シュワルツ氏はこんな状況を『ジャグリング』状態だと言っています。

本当は一度にひとつのことを集中して仕事をした方が効率がいいという実験結果も出ているのです。また、そんなに緊張した状態ではけしてよいパフォーマンスが得られることはありません。

人間は緊張した状態が続くと、カラダの中にアドレナリンやコルチゾールがカラダ中に行き渡っり人間は『トウソウ』モードになるといいます。

『トウソウ』とは『逃走』(逃げるか)か『闘争』(闘う)かという切羽詰まった状態です。

著者は、そんな状態の『心臓外科医』の手術は受けたくないし、睡眠不足で何度もマイクロ睡眠を起こしているパイロットの飛行機には搭乗したくないと言っています。まったく同感です。

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