『大富豪の投資術』書籍レビュー

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『大富豪の投資術』

マーク・モーガン・フォード 著

ダイレクト出版

史上最高の成功を収めた投資家のウォーレン・バフェットの生涯の平均投資リターンは20%でした。世界一の投資家のリターンにしては少なすぎると思いましたか!?実は、毎年10%の投資リターンを続けていればあなたの元本は7年で倍になります。大金持ちになるには、それほど高リターンの投資を続けていなくてもいいということがこの本ではわかります。例えば、500万円の元本は10年後には12,968,700円に増えていますし、20年後には33,637,500円になっています。さらに30年後には87,247,000円になっています。投資リターンが10%でもこれだけ増えるのですから、ウォーレン・バフェットの生涯平均20%という投資リターンはどれだけの資産を増やしたのか想像できると思います。

複利の力があなたの資産を雪だるま式に増やす

なぜ、投資リターンが年利10%だけなのにこんなに増えるのでしょうか。それは『複利の力』によるものです。

複利計算は、最初の年は500万円の元本に対して利息は50万ですが、翌年には元本の500万円に初年度の50万円の利息を加えた550万円に対して10%の利息55万円がつきます。もうこの時点であなたの資産は605万円になっています。複利の力は強大です。ちなみに郵便局の定額貯金は「半年複利」というさらに利息が増える計算方法をとっています。ただ、残念ながら2021年8月1日現在の年利は0.002%という驚くべき低金利状態ですから、元本が倍になるまでに3万6千年かかる計算になります。

いくら利息に有利な複利計算方式をとっていても肝心の利率が低ければ複利の力は威力を発揮しません。

年利10%といっても長期でその水準を達成するのは難しい

短期的には、年利10%の金融商品をさがすのはそれほど難しくはありませんが、20年、30年という長期スパンでその水準を維持するのはとても難しいと思います。ところが、著者であり投資家として巨万の富を築いたマーク・モーガン・フォード氏は、投資研究機関である「パームビーチ・リサーチ・グループ」にて30年にわたって高い投資水準を維持するのに成功しました。アメリカにおいて30年という長きに渡って高配当を続けている超優良企業があるというのです。彼はそれらの超優良企業の株のことを『レガシー株』とよんでいます。

著者が提案する『臆病』な起業家

著者のマーク・モーガン・フォード氏は、大富豪になるための手段として金融資産以外の投資先として、不動産投資や美術品への投資をすすめている他、自分のビジネスをもつ、いわゆる『起業』をすすめています。起業というと『ベンチャー企業』といわれるようにある程度リスクをとらないといけないイメージがありますが、彼の起業に関する提案はちょっと独特で彼自身の言葉を借りると『臆病な起業』を推奨しています。臆病な起業とはスタート時にリスクを背負わず「本業を続けながら、新しい事業を始める」ことです。今でいう『副業』みたいなイメージでしょうか。

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