説得力のあるセールスレターを書くためには、消費者の痛み(悩みや不安、恐怖、問題など)を解決する提案をすればよいと言われていますが、なぜ消費者の痛みを知ることが見込み客の説得につながるのでしょうか!?
その理由を『脳科学マーケティング』は科学的に解明しています。
脳科学マーケティングの概要を簡単に解説した記事はこちらから↓
それでは、なぜ消費者の痛みを知ることが、見込み客を説得するのに重要であるのか説明していきたいと思います。
消費者は自分の好みや望みを明確に認識することはできない!
従来のマーケティング理論では、悩みや恐怖・不安などの多くは完全に無意識の範囲内ですが、自分のフラストレーション(悩み)、欲求、欲望、好意の対象となっているものについては明確に説明できるとしていました。
ところが、『脳科学マーケティング』では、消費者は自分の好みや望みを明確に伝えるどころか認識することもできていないと出張しています。
そのことについて、詳しく説明しているのが『クリストフ・モリン』氏と『パトリック・ランヴォワゼ』氏による共著『売れる脳科学〜レプティリアン脳に売れ!』です。
本書では、あなたが送るメッセージは何よりもまず『原始脳』で感じる恐怖、脅威、リスクを取り除くものでなければならないと説明しています。なぜなら、人は生存と安全のために不安を軽くしたり取り除いたりしたいと願うからです。
脳のメカニズムは、警戒する意識が働くと一連の複雑な意思決定を行う能力が促進されると言います。
さらに、脅威が高まって警戒心が強まるとボトムアップ効果(刺激をもとに低次レベルから高次レベルへと情報処理が行われる)により脳領域が活性化されます。
脳科学マーケティングで、消費者が自分の好みを正確に認識していないというのは、恐怖や不安という消費者の痛みこそ『原始脳』に根源的に認識されるものであり、好意や欲望は幸福や安全のために必要なものを漠然と意識的に解釈したもので、ライフスタイルの変化や流行やトレンド、気分によって短期的に変わる傾向があるからです。
消費者の痛みを知れば、商品やサービスの提案すべきメリットを絞り込める!
消費者の痛みを知ることがなぜ重要かというと、フラストレーションの主な原因を直接取り除くことによって、そのお客さまに提案すべき商品やサービスのメリットを絞り込むことができるからです。
消費者がどのようなことに不平や不満を持っているかがわかれば、その不平、不満を解消するような商品・サービスの特長を訴えればよいのです。同じ商品・サービスの特長を伝えるにしても、お客さまの痛みを通してそのメリットを伝えた方がお客さまへの訴求効果も格段にアップします。
また、お客さまは商品を購入したり使用したりした後で、不平、不満を感じることがよくあります。
そのため、新しい製品やサービスをお客さまに薦めるときには、どのような消費者の痛みから不平、不満が生じるのか予測するとよいでしょう。
人は楽しかった経験よりも、嫌な経験の方が心に残りやすいため、人には楽しかった経験よりも嫌な経験を伝える傾向があります。
悪い評判はそれだけ広まりやすいのです。
消費者の痛みにはどのようなものがあるか!?
それでは、一口に消費者の痛みといってもどのようなものがあるのでしょうか!?
『売れる脳科学〜レプティリアン脳に売れ!』では、消費者の痛みを次のように分類しています。
①金銭的な痛み
収入の損失、利益の低迷、投資利益率の悪化など。
財政的な要素に関連するもので、金銭的な痛みは目につきやすく測定も可能です。
②戦略的な痛み
製品やサービスの開発、製造、販売、発送などに関わるビジネス上のリスクをもたらすもの。
例えば、品質の低下や生産効率の低下、顧客満足度の悪化、低いブランド認知などがあげられます。
③個人的な痛み
購買判断に影響する否定的な感情で構成されるもの。
例えば、強いストレス、仕事への不安感、長時間労働
消費者の痛みはどのようにして気づけるのか!?
消費者の痛みを知るにはいったいどのようにしたらよいのでしょうか!?
それには、上得意客との対話により見つけることができます。
上得意客に次のような質問をして、消費者の抱える痛みを聞き出しましょう。
①このサービスを購入する前にどのような問題、困難、リスクを抱えていましたか?
②この製品を購入してなかったら、いくらの損失が生じると思いますか?
③この製品を購入したことで、どのようなリスクや不確実性を取り除くことができましたか?
④サービスを購入したことで、あなた自身、家族、仕事にとってよかったと感じた点は?
消費者の痛みは、あなたの商品やサービスのメリットをあぶりだすチャンスです。
くれぐれも聞かれてもいないのに、商品やサービスの特長を長々と語るのはやめましょう。
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