以前、食と健康を考える『食養生』セミナーの概要編で、『健康のための基本5項目』が大事だというお話をさせていただきましたが、今回は基本5項目のひとつ『空気』編についてお話したいと思います。基本5項目の『空気』というのは『呼吸』を指しています。『呼吸』は自律神経と密接に関係していて、深い呼吸をすることは心身のバランスを保つ上でとても大切なことです。
人間は1回の呼吸で肺の20%の能力しか活用していない!
人間は深呼吸をしても、1回の呼吸で空気を入れ替えることのできる量は肺の20%程度といわれています。一方で同じ哺乳類でも水中の中でくらすイルカは肺の80~90%にあたる量を入れ替えることができます。
一般に成人男性の1回の呼吸で取り入れる空気の量は400~500ミリリットルといわれていますが、吸った空気のうち体内に取り入られる酸素の量はその20分の1ということです。
もともと肺の能力の20%しか使えないことに加えて現代人はストレスにさらされていて呼吸が浅くなっています。ときには深呼吸をしてたくさん酸素を取り入れたいものです。
呼吸(空気)は、心と食をつなぐもの!
奥浜名湖のリゾートホテルで開催された『食養生』セミナーの講師は『星野リゾート』滞在型の体質改善プログラムを手掛けた食事療養士の『辻野将之』先生です。
辻野先生は、『食養生』を考える上で大切な要素に『健康のための基本5項目』をあげています。ピラミッド型をしていますが、ピラミッドの下にある項目ほど重要な項目となっています。今回のテーマである『呼吸』は基本5項目の中では『空気』として位置づけられていて5項目のちょうど真ん中にあたるものです。
基本5項目の真ん中に位置して『心』を整えて、『太陽』のように規則正しい生活をして『空気』を十分取り入れたら、十分な『水(分)』と健康的な『食』をカラダに取り入れるまさに中間的な役割を果たしています。
自分の力で動かせる唯一の自律神経!
呼吸は眠っていても止まることはありません。これは、呼吸というものは自律神経の支配下にあることを意味します。自分の意思で動かしたり止めたりすることのできない自律神経支配下に属する臓器の中で唯一意識的に動かせる臓器が肺ということです。自律神経支配下の中でも呼吸だけは自分の力でコントロールできるのです。
しかも、呼吸をコントロールすることで心臓や発汗などの自律神経系に対しても間接的に関与することが可能です。緊張して汗が止まらなくなったときに落ち着いて深呼吸すれば、脈拍も安定し汗もひくという効果が期待できます。
奥浜名湖の新鮮な空気を吸ってリラックス!
奥浜名湖のリゾートホテルで開催された宿泊型セミナー『浜名湖養生』では2日目の朝、早起きして奥浜名湖畔を散策しました。まず、ホテルのエントランスをぬけて奥浜名湖の向こう側にみえる朝日を浴びながら呼吸法のレッスンを受けました。
このように朝一番とか朝玄関を出るときとか、何かの行動に合わせて深呼吸を行うと習慣化されるので効果的だということです。
講師の辻野先生から深い呼吸をするためのアドバイスをいただきました。普段意識して深い呼吸をする習慣がないひとはどうしても呼吸が浅くなりがちです。たいていのひとは、吐くよりも吸うほうのが難しいのではないでしょうか。最初にうちは吐く方に意識を集中して『息を吐き切る』ことを心掛けた方がいいとのことです。息を吐き切ることによって自然とたくさん吸えるようになります。
まとめ
人間は深呼吸をしても、1回の呼吸で空気を入れ替えることのできる量は肺の20%程度といわれており、その中でも実際カラダの中に取り込まれる酸素の量はさらにその20分の1ということでした。
『呼吸』は自律神経と密接に関係していて、深い呼吸をすることは心身のバランスを保つ上でとても大切ということがわかりましたが、自律神経の中で唯一肺だけが自分でコントロールできる臓器だと聞いてびっくりしました(自律神経の中でも自分でコントロールできるものがあるんですね)。
自分でできる自律神経のコントロール法があるのなら、健康増進のためにはぜひマスターしたいものですね。
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