和菓子の名前の由来探訪記~きんつば~羊羹~どら焼き~最中

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日本の伝統文化や四季折々の移ろいを感じさせる風情豊かな和菓子ですが、その誕生の歴史を紐解いてみると、そのお菓子に込められた先人の思いが伝わってきます。

ただ食べても美味しいお菓子ですが、その名前の由来を知ればもっと楽しく召し上がっていただけることでしょう♪

それでは、和菓子の名前の由来を探る旅に出掛けてみましょう!

『きんつば』の名前の由来は刀の『鍔(つば)』だった!

『つぶし餡(あん)』を厚く四角形に切り、溶いた小麦粉を薄く周囲につけて鉄板で表面を焼いた和菓子『きんつば』!

出典:https://www.eitaro.com/kintsuba/

もともと江戸時代の京都または大阪で誕生したお菓子で、当時は表面が白っぽくて形は円型だったといわれています。 その形が刀の『鍔(つば)』に似ていたことから、『銀色の鍔』が転じて『ぎんつば』と呼ばれるようになりました。

『ぎんつば』は、江戸に渡る前に京都で作られていて当時は『粳(うるち:イネ・アワ・キビ等の品種)』の皮で餡を包んで焼いた菓子でした。

『ぎんつば』が、江戸に渡った際に、『粳』を『小麦粉』に変えて焼いたところ、焼色が付き『粳皮の銀色より、(小麦で焼いた)金色の方が上である』ということで『金鍔』と名付けられたといわれています。江戸っ子の洒落というか京文化に対する対抗意識を感じさせます。

そして、当時丸かった『きんつば』が今日のような四角い形になったのは、神戸元町の『紅花堂(現:本高砂屋)』の初代・『杉田太吉』さんが、きんつばを四角に改良したのが始まりだそうです。四角いきんつばは、側面にまんべんなく衣を付けることができるので、効率よく生産することが可能になります。そのため、今日では『きんつば』というとこの四角い形が主流となりました。

この話を聴いて粒餡のしっかりとした風味の『きんつば』を食べたくなった方はこちらからどうぞ↓

>あんこはやっぱり粒あん!という人のための小豆きんつば大特集

『羊羹』は本当に『羊』の『肉』だった!

和菓子の定番の『羊羹(ようかん)』ですが、小豆が主原料であるのに、名前に『羊(ひつじ)』の文字があり不思議に思った方もいるでしょう。

また、『羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く』ということわざがあるように、冷たい羊羹に『羹(あつもの:熱い吸い物の意)』の文字が使われていることに疑問を感じる方もいることでしょう。

出典:https://marusanrouho.thebase.in/categories/2215043

和菓子の定番の『羊羹(ようかん)』が、『羊(ひつじ)』の『羹(あつもの)』と書くのかというと、そもそも中国から伝わった『羊羹』は、羊の肉のスープだったからです。

このスープが冷えて固まるとゼラチン状の『にこごり』となりました。

鎌倉時代から室町時代にかけて『羊羹』は中国の禅僧によって『点心』として日本に伝わってきました。それが、日本では精進料理として使われるようになったのですが、肉色が禁止されている禅宗では『羊の肉』の代わりに小豆や小麦粉、葛粉などの植物性の材料を使って、『羊のスープ』に見立てるようになりました。

日本は今でも『かにかま』などのコピー食品を作り出すのが得意ですが、こんな昔からコピー食品を作ってきたのですね(^^♪

日本の禅宗で精進料理として出されていた時は今日のように甘いお菓子ではなかったはずです。もともと砂糖などは高級で庶民の手には入らなかったはずですしね。

それが、時代とともに変化して今日のように甘くて美味しい和菓子になったのですね。

この話を聴いて粒餡のしっかりとした風味の『羊羹』を食べたくなった方はこちらからどうぞ↓

>あんこはやっぱり粒あん!という人のための小豆羊羹大特集!

『どら焼き』の『どら』は楽器の『銅鑼(どら)』だった!

生クリームどら焼きの出現で、今日では最も映える和菓子(もはや和菓子とも言い難いものもありますが)として注目されている『どら焼き』です。

どら焼きの生地もしっとりふわふわの『パンケーキ』のようなものまで現れ、イタリアのスイーツ『マリトッツォ』風のどら焼きまで登場しています。

出典:https://www.kintuba.com/?mode=cate&cbid=2555236&csid=0&sort=n

ところで、この『どら焼き』の『どら』の語源はいったい何でしょうか!?

どら焼きといえば、二枚の円盤状の生地で餡(あん)を挟んだ和菓子ですが、意外にもこの形になったのはそれほど昔ではなく大正時代のことだそうです。

この円盤状の形から楽器の『銅鑼(どら)』になぞらえて『どら焼き』としたといわれています。

どら焼きは、製造の過程で『どらさじ(そんなものがあったんですね)』で生地となる材料をすくって銅板に流し込むと必然的に同心円状の形になるので、この形になったのはごく自然なことですね。

ところで、『どら焼き』には、別名があり関西では『三笠』と呼ぶところもあるそうです。

その理由は、『どら焼き』の形が奈良県にある『三笠山』の美しいなだらか形に似ているからです。

余談ですが、『どら焼き』といえば、『ドラえもん』ですが、ここでクイズです(^^♪

ドラえもんは、『どら焼き』の『カステラ(生地)』と『餡子(あんこ)』のどちらが好きでしょうか!?

出典:https://www.bunmeido.co.jp/item/227

正解は・・・

『餡子(あんこ)』です!!

ドラえもんの主題歌を聴けばわかります。

♬餡、餡、餡・・・とっても大好き!ドラえ~もん!!♬

(諸説あります。 餡、餡、餡・・取っても大好き(生地の方が好き)という解釈もあります。)

この話を聴いて粒餡のしっかりとした風味の『どら焼き』を食べたくなった方はこちらからどうぞ↓

>【どら焼き】あんこはやっぱり粒あん!という人のためのどら焼き大特集!

『最中(もなか)』はもともと『月(つき)』を意味していた!

突然ですが、私は『最中(もなか)』といえば地元静岡県の『田子の月もなか~餅入り』が好きです!(本当に私事で失礼しました。)

出典:https://shopping.jtb.co.jp/products/72879

ところで、この『最中』、この字面だけで突然出てきても、何の『最中(さいちゅう)』なのかって思いますよね(^^♪

でも、もともとの意味は満月をかたどった『最中の月(もなかのつき)』という煎餅のようなお菓子が始まりですから、それが省略されて『最中(もなか)』となるまではそのような混同も起こらなかったと思います。

それにしても、平安時代の歌集『拾遺集』にもある『水の面に 照る月なみを かぞふれば 今宵ぞ秋の もなかなりける』から引用してお菓子の名前にするなんて風情がありますね。

 ということで、『最中の月』とは、旧暦十五夜の月『中秋の名月』のことです。

そういう意味では、この章の冒頭であげた『田子の月もなか~餅入り』の話も『月』といい、『満月=望月=餅つき』といい案外的外れな話でもなかったということですね(^^♪

この話を聴いて粒餡のしっかりとした風味の『最中』を食べたくなった方はこちらからどうぞ↓

>【最中】あんこはやっぱり粒あん!という人のためのもなか大特集!

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