「ファイナンシャル・プランナー」という資格を耳にすることがあると思いますが、この資格は、「一般社団法人金融財政事情研究会」と「特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」(日本FP協会)の2つの団体が実施しています。
どちらが実施するファイナンシャル・プランニング技能検定を受検しても、合格すれば、ファイナンシャル・プランニング技能士の国家資格を取得することができます。取得できる資格は同一です。
しかし、この講座では、私が受験した「一般社団法人金融財政事情研究会」での受験を念頭に話をすすめていきたいと思います。
私が、FP1級に合格したのは、2013年でしたが、FP3級を受験したのは、2012年ですので、その間一度も試験に落ちることなく最短でFP1級まで取得することができました。
そのとき、FP2級の試験に何度か落ちている同僚にどんな勉強をしているのと聞かれたので、私の勉強法を素直に答えたら随分変わっていると驚かれました。
それでも、短期間でFP1級に合格したので、私の勉強方法の効果については自信があります。
FPの資格取得をめざしているひとに参考になると思いますので、私のFP1級合格までの勉強方法についてお話したいと思います。
まず、FP1級の勉強から始めてください
最初から、めちゃくちゃなことを言うと思った方も多いと思いますが、これは、最終的にFP1級を受験したときに思った感想です。
もちろん、FP3級、FP2級の受験勉強をしているときには、確信はありませんでした。そのときは、FP3級の受験前に、FP2級の勉強をしておけば、次のFP2級の受験のときに、より多くの勉強時間をさけるだろうと、その程度にしか考えていませんでした。
そして、FP2級の受験の前に、FP1級の勉強を始めたときに、最初からFP1級の勉強をしておけばよかったという思いが確信に変わりました。
理由は、簡単です。FPの試験問題は、体系的に作られています。
FP1級は、「学科試験」と「実技試験」の2段階に分かれています。「実技試験」は、「学科試験」に合格したひとにしか受験試験が与えられません。
「実技試験」は、顧客からの資産相談にコンサルタントとして提案していくという形で行われます。
そして、この実技試験こそが、ファイナンシャル・プランナー技能検定の最終ゴールとなるのです。
つまり、顧客からの資産相談にこたえる能力が問われるのですが、FP3級、FP2級では、そのための知識が備わっているかを試されているわけです。
FP1級の実技試験の過去問題を見てみればわかるとおり、顧客からの資産相談内容は、ある程度のパターンに分類することができます。
そのパターンは、個人資産家の相続税の軽減対策だったり、個人事業主の事業継承対策だったりするわけです。
顧客のニーズがわかれば、その解決策はおのずと決まってきます。
相続税の軽減対策であれば、生命保険の死亡保険金の非課税制度がすぐに浮かんできますが、そのためには、FP3級、FP2級の知識が必要になってきます。
FP1級から先に勉強した方がいいという理由は、目的を最初に知っていた方が、手段を学ぶのも効率が良いからです。
もちろん、FP3級受験よりも先にFP1級を受験しなさいと言っているわけではありません。実際には、FP1級を受験するには、FP2級に受かっていなければいけませんし、FP2級を受験するには、FP3級に受かっていなければいけません。
ただ、先に答えを知っていれば、勉強も随分楽だということです。
FP2級が一番難しい
FP1級の勉強を先にしておけば、FP2級、FP3級の勉強が随分楽になるという話をさせていただきましたが、そうは言ってもFP2級のハードルはかなり高いと思います。
実際に、私が一番苦労したのは、FP2級の受験勉強でした。
理由は、FP3級に比べて当然問題の難易度は高く、出題範囲が相当広いからです。
年金業務をはじめとし、生命保険業務、損害保険業務、不動産業務、預貯金業務とこれらすべての業務経験があるひとはほとんどいないでしょう。
ここで、大抵のひとは、勉強範囲の広さに圧倒され、FP2級の勉強をしているときに、FP1級の過去問題をみてみようとは思わないでしょう。そして、FP2級でさへこれだけおぼえることが多いのだから、FP1級はさぞ大変だろうと考えるのではないでしょうか。
しかし、それは誤解です。FP1級は、FP2級よりも出題範囲がぐっと狭くなります。「目的」(FP1級)よりも「手段」の方が多くなるのは当然です。
一番の難関は、FP2級ですが、その壁を乗り越えるために次ぎのアドバイスをしておきます。
FP2級は、難関ですが、FP2級が峠です。それを乗り越えると、もう少し楽なFP1級が待っています。今がふんばり時です。
そして、もうひとつ心強いアドバイス。
「ハードルは高いほど、くぐりやすい。」
FP1級の過去問題をみたあなたは、もう答えをみたも同然です。膨大なFP2級の出題範囲も、各業務の知識の重要度合いがわかっているはずです。そして、なぜその問題が出題されるのかという理由もわかってくると思います。
さらに、気休めにもうひとこと言わせてもらえば、FP2級の問題は難しいですが、60点満点中36点とれば合格です。実際に、顧客に6割の正確性でコンサルティングを行っているのは問題ですが、これはあくまで試験ですので、FP1級で試される領域だけ完璧にしておけばいいじゃないですかということです。
FP1級の教材は皆無
とは言っても、FP2級に合格すれば、FP1級も簡単に合格できるわけではありません。FP1級ならではの勉強方法があります。
FP3級やFP2級の教材は、本屋でもよく見かけますし、通信教育でもFP2級までの講座はよくあります。ところが、FP1級ともなるとあまり教材を見かけることはありません。
FP1級の教材は、いわゆる「過去問」(過去に出題された問題)です。この過去の問題は、「一般社団法人金融財政事情研究会」のホームぺージで見ることができます。
一度「過去問」を一通り見たら、出題テーマごとに(顧客の相談テーマ)ごとに分類することをおすすめします。過去の問題を分類してみると、それほど相談の種類が多くないことに気が付くことでしょう。
「過去問」だけでは、不安に思われる方は、「ファイナンシャル・プランナー1級取得のための【FP講座】の【実践編】で詳しく説明しますので、そちらを参考にしてください。
コメント