『ASK.オンライン売上を爆発的に増やすアンケート術』
ライアン・レヴェック著
ダイレクト出版
〜正しくアンケートを使えば、あなたの商品は売れていく!~
本書タイトルはずばり『Ask』!
一体誰に何を尋ねるのでしょうか!?
『それは、顧客にあなたの欲しいものは何ですか?』という問いです。
しかし、顧客は自らの欲しいものを素直に答えてくれるものなのでしょうか!?
顧客は自分の欲しいものがわからない!
残念ながら、顧客はあなたに自分は何が欲しいのか教えてくるのは難しいでしょう。
なぜなら、顧客は自分自身でもいったい何が欲しいのか正確にはわからないからです。
仮に、無理に何が欲しいのか尋ねても、顧客は知恵を振り絞って何らかの答えを出すかも知れませんが、あなたがその商品やサービスを提示しても購入には至らない可能性が高いです。
顧客が頭で考えた欲しいものは実に移りげで、しばらくするとまた別のものが欲しくなるからです。
では、いったい顧客にどんな質問を投げかけたらよいのでしょうか!?
その答えは、本書『ASK.オンライン売上を爆発的に増やすアンケート術』にしっかり書かれています。
顧客は、欲しいものではなく、欲しくないものなら明確に答えられる。
あなたは顧客の解決してほしい問題を尋ねればいいのです。
そして、あなたはその問題の解決策を提示すればいいのです。
顧客の本音を引き出すアンケートとは!?
それでも、あなたは顧客はそんなに素直に自分の問題を他人にされけだすようなことはしないだろうと考えるのではないでしょうか?
その点もご心配なく!
本書では、顧客に警戒されずに、面倒だとも思われないようにアンケートに答えてもらう技術を披露しています。
本来なら、顧客の問題点を炙り出すためには、顧客により具体的な記述をしてもらうことが理想的です。
しかし、あなたもそうでしょうが、アンケートを依頼されたときに自由記述欄には何も書かないことが多いのではないでしょうか。
そこで、著者のライアン・レヴェック氏のとる戦術は次の通りです。
最初の質問は誰もが躊躇せずに答えられるものを選びます。
例えば、あなたは男性ですか? 女性ですか? という二者択一の質問です。
他には、年齢を聞くような問いも効果的です。
回答者は悩まなくても済みますし、次の質問への抵抗感を和らげる効果もあります。
そして、自由記述式の質問に記入してもらいやすいようにハードルを下げていきます。
この自由記述式の欄には顧客の今抱えている問題を記入してもらいます。
この欄に多くの記述をした人やより具体的に詳わしく書いてくれる人ほど見込があると言えます。
こうして集計したアンケートを使って、あなたの見込客の問題に応じて顧客をセグメント化していきます。
セグメント化の目的は、セグメントごとにそのグループにあったメッセ―ジや商品・サービスなどの情報を提供するためです。
著者が『Ask.』を書くに至ったストーリーとは!?
本書『Ask・』はインターネットビジネス書にしては珍しい独特の二部構成をとっています。
独特の二部構成とは、前半の第一部では、本書で取り上げている『Ask Method』という手法を考案するまでの著者の個人的な物語り『アスク:物語』、そして第二部が手法の解説『アスク:方法論』という構成です。
第一部の『アスク:物語』に相当の紙面を費やしています。
著者のライアン・レヴェック氏が、神経科学を専攻した話や奥様と一緒に『スクラブル・タイル(アクセサリーの一種)』のスモールビジネスを始めた話を読んでいるうちに、どこかで聞いたようなストーリーだと思いました。
そう! 以前私がとりあげた『最強の選択術』の著者であることを思い出しました。
こちらの本は、新しくビジネスを始める際にその『ターゲット市場』を見極めることの重要性とその方法を詳しく説明したものですが、改めてライアン・レヴェック氏の著作は、マーケティング全般を網羅的にまとめるのではなく、あるテーマに的を絞った緻密な分析によりビジネスを成功させる実践的な方法を提供してくれていると感じました。
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