「定額貯金」というのは、郵便局にしかないオリジナル商品です。
いろいろなメリットがあります。
今回は、定額貯金の「分割払戻し」の機能についてご説明します。
定額・定期専用通帳と担保定額・定期貯金
「定額貯金」を預ける場合の方法として、「定額・定期専用の通帳(口座)」をつくって預ける方法と、「総合口座」の後ろの方のページ「担保定額・定期貯金」に積む方法があります。
(一枚ものの「定額・定期貯金証書」というのは、現在では廃止されています)
それぞれのメリットについてご説明します。
専用通帳のメリット
「定額・定期貯金の専用の通帳(口座)」を新規につくる方法です。
総合口座を開設していなくてもつくれますが、総合口座を開設したのち、定額・定期貯金専用の口座をつくった方がのぞましいでしょう。
ペイ・オフ制度の関係で、金融機関としては、総合口座にお客さま固有の番号をとって、総合口座とひもづけた形で定額・定期貯金を管理したいからです。(名寄せ作業といいます)
また、後述しますが、お客さまの希望の日に、「通常貯金」から「定額貯金」に振り返る「指定日預入」という新しいサービスが開始され、通常貯金から定額貯金の預け替えが便利になったからです。
ちなみに、「総合口座」と「定額・定期専用の口座」は、異なる「印鑑」を登録することができます。
「専用通帳」に定額貯金を預入する最大のメリットは、分割の払い戻しが可能ということです。
「定額・定期貯金専用」の通帳をみてみると、預入金額のほかに、何口という「口数」の指定があることに気がつくでしょう。
口数の指定は以下のように行います。
例えば、300万円の預入の場合、「一口100万円」で、「3口」預けるという方法があります。
また、同じく、300万円を、「一口1,000円」で、「3,000口」預けるという方法もとれます。
専用通帳で預けた「定額貯金」は、口数単位の払い戻しができます。
(定期貯金は、専用通帳で預けても口数の指定はできません)
後者の例の場合では、5,000円だけ払い戻しをしたいということができます。
これを、「分割払い戻し」といいます。
なぜ、分割払い戻しができることが利点かといいますと、預入時点よりも、払い戻しをする時点の金利が低くなった場合、分割の払い戻しができないと
一旦、定額貯金を解約して、必要な分の現金を差し引いた額で、再預入することになると、再預入した定額貯金は、低い金利で運用されます。
分割の払い戻しができると、上記の例ですと、5,000円分(5,000円分の元本と利息)だけ現金で受け取って、残りの299万5,000円は、預入時の金利で運用されます。
担保定額貯金のメリット
一方で、総合口座通帳の後ろの担保定額・定期貯金のページに積む場合のメリットは、「通常貯金」と「定額貯金」を一冊の通帳で管理できることです。
もうひとつの利点は、定額貯金を「担保」に自動借り入れができることです。
(担保定額貯金といわれる理由でもあります)
通常貯金の残高以上に払い戻しや引き落としがされると自動的に担保定額貯金の残高に応じて借り入れが行われます。
そして、通常貯金の残高が、プラスに転じた時点で、自動返済が行われます。
(郵便局の窓口で、担保定額・定期貯金の自動貸付を行わない設定をすることができます)
他方、デメリットとしては、分割の払い戻しができないことです。
定額貯金の預入金額が高額になる場合は、いくつかに分けて預入するのもひとつの手です。
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