『時間が増えれば人生が変わる〜時間投資思考』書籍レビュー

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『時間が増えれば人生が変わる〜時間投資思考』

ロリー・バーデン著

ダイレクト出版

『時間投資?』、『時間管理』はよく聞きますが、時間投資思考ってなんでしょうか!?

もっと、効率よく仕事をこなすための時間管理のことでしょうか?

しかし、あなたはもう十分に多くの仕事をしているのではないでしょうか?

仕事を効率よくこなしてたくさんの仕事をしたとしても、また新しい仕事が舞い込んできて、いつまでたっても仕事に追われているような気がしませんか?

わざと先延ばしにするのが時間を増やす方法!?

本書の原題は、”Procrastinate on Purpose”「故意による先延ばし」です。

“Purpose”という言葉は、単体では『目的』なのに、”on purpose”と慣用句になると「故意に、わざと」となるのは面白いですね。

「目的を持って」=「意図的に」という意味でしょうか?

それにしても、先延ばしにすることが時間を増やす方法なんて、今までの時間管理の通説とちょっと違うような気がします。

だいたい『先延ばし』というのはあまり良い意味で使われることはないですし、先延ばしは怠け者の常とう手段だからです。

自己啓発の本が推奨するような手段ではないはずです。

しかし、著者の時間投資(時間を増やす)の5つの習慣のうちのひとつなのです。

(タイトルに持ってきたぐらいですから、5つの習慣の中でも著者が気に入ってるものなのでしょうね)

『意図した席延ばし』の効用は次のような考え方から生まれています。

物事には、最適なタイミングというものがあって、早すぎると『予期せぬ変化へのコスト』という代償を払うことになる場合があるということです。

これについては、私にも思い当たることがあります。

私は心配性で常に予定の納期・期日よりも早めに仕事を片付けないと落ち着かないという性分です。

そのせいか、予期せぬ変更で同じ仕事を最初からやり直すはめになることがまれにあります。

たくさんの仕事をこなすことが良いことばかりではない!?

著者の『ロリー・バーデン』氏はこう語っています。

『時間管理なるものは存在しない。自己管理なるものだけが存在するだけだ。』

『限られた時間をどのように使うかは、完全にあなたの自由な選択だ。』

効率よく仕事をし、たくさんの仕事をこなすことは良いことですが、肝心なのは仕事によってもたらされた結果だと思います。

大事なことは、仕事をした量でも、仕事に費やした時間の多さでもなく、成し遂げた仕事の結果です。

いくら効率よく仕事をしても、価値のない仕事を効率よくこなしても意味がありません。

私たちは、成功とは欲しいものを次々と手にいれることだと考えがちですが、欲しかったものを手に入れたときの満足感は一瞬で、また欲しいものを探し出してそれを手に入れようとします。

でも、『ロリー・バーデン』氏が時間を生み出すために必要な習慣の一番最初にあげているのが『削る』ということです。

基本的に、『時間投資』(時間を生み出すこと)の方法は、『明日たくさんの自由な時間を手に入れるために、今日すべきことは何か』ということを考えることに尽きます。

『削る』というのは、そうでない作業に時間を費やすことをやめることです。

『No』と言えることが、最高の自分であるための手段!

私は、著者の『ロリー・バーデン』氏の考えが素晴らしいと思ったのは、『時間投資思考』という時間を増やす方法のアイデアではなく、そこに行きつく間での労働観や人生観が崇高であると思ったからです。

時間を生み出すために、重要でない作業を『削る』という提案がありましたが、それをするには気乗りしない頼まれごとや誰かにとって緊急性(優先順位)が高いものに対して『No』と言うことだとしています。

あなたは人に嫌われたくないという理由で『ノー』と言えずに、『いやいやのYes』を言っていると思いますが、あなたが『Yes』と言っている一方で、『No』と言っているものがあります。それは、大切な家族との時間を持つことやあなたの目標に近づく作業です。

本来なら、頼みごとをしてきた相手にとって、あなたがいやいや引き受けるよりも、その時は断られてもあなたに最高の自分になってもらって周りの人に良い影響力をもってもらった方が嬉しいと思うのではないでしょうか。

ただ、良い人間関係を築く上では丁寧な断わり方をした方がよいでしょう。

もうひとつ、私が感心したのは、著者の『ロリー・バーデン』氏の労働観です。

おそらく『時間投資思考』は、有意義な時間の使い方を会得し、人生において多くの成功をもたらすでしょう。

その中にはもちろん金銭的な成功も含まれるでしょう。

そうなると、もはや働かなくても自由な生活を手に入れることができるでしょうが、そのような暮らしで満足感を得られるのは一時だけだと『ロリー・バーデン』氏は言います。

人は働いて誰かの役に立つことで生きる意味を感じるというのです。

一生働かなくてもいいという生活には憧れますが、きっと彼が言うようにそれは味気ない生活なのでしょうね。

(でも、羨ましい)

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