公文式というと『算数・数学』というイメージがありますが、公文式で30年以上も教室を運営している妻が言うには、『公文式で一番結果が出やすい科目は英語』ということです。なぜ、英語が一番結果が出やすいのでしょうか。その理由について迫ってみたいと思います。
授業の遅れを一番挽回できるのは、スタートが遅いから!
親御さんが公文式教室に子供を通わせようとする理由としてあげられるものに、早いうちから学習させて将来受験などで困らないようにさせたいというものの他に、学校で授業についていけないので何とかしてほしいというものがあります。もし中学校1年生の子が学校の授業についていけないといって、公文式の教室に訪れてきて学力診断テストをしたら小学校4年生ぐらいの学力しかなかったら挽回は大変です。ところが、同じ中学1年生の子が英語の授業がまったくわからなかったとしても、遅れはせいぜい1年間です。容易に学年のレベルに追いつけるでしょう。
当然ですが、もしお子さんが学校の授業についていけなくなったとしたら、なるべく早い段階で手を打っておけば挽回は可能です。おそらく学校の授業だけでは、挽回は不可能で一度遅れたら遅れの度合いはますます深まるばかりでしょう。
小学生の英検合格者を公文式学習者が独占する理由は!?
これは、公文式英語に限ったことではありませんが、公文式の学習は毎日やります。子どもたちが公文式教室に通っているのは週に2回ですが、プリント(教材)を使っての学習は毎日やります。毎日学習することは子どもたちにとって負担に感じるかも知れませんが、実は毎日やる方がラクに学習を進めることができます。人間のカラダはルーチンが好きで、毎日同じリズムで続ける方が継続しやすいです。ましてや、英語学習などは他の国の言葉を学ぶのですから週2〜3回程度ではせっかく覚えても忘れてしまうことでしょう。
この毎日やるということが、特に外国語を学ぶ上でとても大切なことです。大人のひとでも、海外に出張に行ったときに現地で英語漬けの生活をしていたときはすらすらと英語が口から出てきたのに、しばらく日本で生活をしていると英語で会話をしようとすると言葉に詰まってしまうということがあると思います。
毎日英語を学習している公文式の小学生の子どもは、ぶつ切りの授業で英語を学んでいる中学生よりも確かな英語力が身についていると思います。そのため、英検の合格率も高く、小学5年生でも英検3級合格というのは珍しいことではありません。
公文式英語の学習はネイティブが母国語を習う環境に近い!?
日本の英語教育の反省として『読み書き偏重』で聴くことと話すことが苦手というのがあります。これは、今まで英語教育が中学生になってから行われたためと学校の英語の指導方法自体の問題と言えます。
特に聴くこと(リスニング)が苦手なのは、英語の読み方をカタカナで表記したことが大きな要因になっていると思います。カタカナも日本語である以上、50音のほとんどすべてが母音で終わっています。例えば、「机」”desk”を『デスク』と表記してしまうと”desuku”と発音してしまうでしょう。本来は、”s”の後にも”k”の後にも母音の”u”の音は含まれません。だから、ネイティブの”desk”の音を聞き取ることができないのです。ましてや英語は『リエゾン』といって単語がつながると音の変化が生じることがあります。「彼を止めて!」”stop him!、「それを手に入れて!」”get it!”など音がつながるとまったく聴き取れなくなるでしょう。
その点、まだ文字を読むことができない幼児のうちに公文式で英語を学習している子は耳で聞こえたとおりに単語を理解します。カードに描かれた絵と耳で聞こえた音を結びつけるので間にカタカナで書かれた文字を介することはありません。これは、アメリカ人などネイティブの子どもが母国語の英語を理解するのと同じプロセスです。
公文式英語は文法軽視!?~フレーズと文法の教える順序が違うだけ!
学校の英語の授業では早い段階から文法を教えますが、公文式では文法よりもフレーズを何回も練習します。これは、公文式の英語が文法を軽視しているという意味ではありません。学校の英語の授業で早い段階で学習する『be動詞』も、一人称”I”の現在形のbe動詞は”am”ですよとくどくど言いません。その代わり、”I am 〜”で始まるフレーズ(文例)や”You are 〜”で始まるフレーズを何べんも読んだり、聴いたりします。フレーズ自体はとてもシンプルなものなので繰り返し読んだり聴いたりすることで、幼児でも障害をもった子でもすんなりと入っていきます。小学生のうちに英検3級に合格したからといってけして英才教育を受けているわけではありません。
そもそも文法というのは、どの言語でもそうだと思いますが、人々が長い間に話されたり、書かれたものをあとで敢えて意味づけしてみたらこんなルールだったというものではないでしょうか。先に文法を作ってから言語が発達したわけではないということです。
そもそも、文法重視の日本の英語教育によって育った私たち大人がどれほど英文法について正確な知識を持っているといえるでしょうか。英検よりもリスニングが重視されている”TOEIC”でさへも文法の知識を問われる問題が出題されています。”TOEIC”の文法問題は、例文の中で文法的におかしい箇所はどこかという形式の問題ですが、これはリスニング以上に難しい問題です。
私のかつての同僚でニューヨークに長年暮らしていたひとがいましたが、彼はこの”TOEIC”の文法問題はまず間違えることはないと言っていました。彼が言うには『どこが間違っているかなんて考えることもない。』『文章を読んでいて気持ちが悪い。』つまり違和感を感じるというのです。何べんも英語のフレーズを聴いているとそういう領域に達するのでしょう。
まとめ
公文式というと、「算数・数学」のイメージが強いと思いますが、長年公文式教室を運営している妻に言わせると「英語は、一番結果が出やすい教科」だということです。それは、英語は中学生になってから習う科目なので、学習進度が遅れているといっても他の教科と比べればその程度は知れているからということです。
また、文法よりもフレーズ重視で英文を反復して練習しているので幼児や障害をもつこどもでも英語に慣れ親しむことができるのです。何べんも反復して英文にふれているので文法的な間違いをすることも少なくなります。
そして、どの教科でもいえることですが公文の英語は毎日学習するので子どもの負担も少なく継続的に学習することで確かな学力が身につくということです。特に慣れない外国の言語を習うわけですから毎日の継続した学習というのはとても大事です。
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